●断続的労働の除外許可・最低賃金の減額許可申請の実際



ある官公庁の宿日直業務を受注し2名を配置することになったので
断続的労働の除外許可申請と最低賃金の減額許可申請をしました。
必要書類やその書き方、許可が下りるまでの実際について書いておきます。

1.基礎知識

a.断続的労働の除外許可申請

労基法では
・労働時間は8時間/日,40時間/週(労基法32条)
・労働時間の途中に「45分/6時間超え・60分/8時間超え」の休憩(労基法34条)
・これに反する労働契約は無効。契約は労基法の基準に引き上げられる(労基法13条)
・使用者に罰則・6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金(労基法119条)

宿日直業務では労働時間が8時間より長く、
1ポストの場合は来訪者や電話対応,事故発生時の緊急対応があるため休憩は存在しません。

そこで宿日直業務を行わせるためには、
労基法の労働時間・休憩時間の適用を除外してもらう必要があります。(労基法41条)
そのためには、労働基準監督署からその業務についての適用除外許可をもらわなければなりません。
これが断続的労働の除外許可申請です。
正式には「断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請」。

この除外許可を得ないで宿日直業務を行わせると、8時間を超えた時点で労基法違反となります。
36協定(労基法36条)で逃げることはできますが、
書面による労使間協定や基準局への届出はクリアーできても時間数制限をクリアーできないでしょう。
36協定の時間数制限届出

なお、「断続的な宿直又は日直勤務許可申請(労働基準法施行規則23条)」は
労働者に宿直・日直業務をさせる場合で警備業者が受注する宿直・日直業務ではありません。
許可基準も異なります。
※労働基準法施行規則23条
「使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、
   様式第十号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、
   これに従事する労働者を、法第三十二条の規定にかかわらず、使用することができる。」

b.最低賃金の減額許可申請

宿日直業務は手待ち時間が長く一般の労働に比べ労働強度が低くなります。
そこで、最低賃金を減額することが認められています。
但し、労働者一人一人について労働局に申請して減額許可をもらわなければなりません。
これが最低賃金の減額許可申請です。
正式には「断続的労働に従事する者の最低賃金の減額の特例許可申請」。

この減額許可がない場合は
「労働時間×最低賃金」を支払わなければならず(最賃法4条2項)、
それより安い賃金では
50万円以下の罰金(最賃法40条),30万円以下の罰金(労基法120条)になります。

c.公契約条例からもペナルティ

官公庁から仕事を受注する場合は公契約条例が適用されます。
公契約条例は受注者の法令遵守義務を定め、
遵守すべき法令として労働基準法や最低賃金法を例示しています。

受注者が労働基準法や最低賃金法に違反した場合は
公契約条例違反・契約違反として契約解除や指名停止になる場合もあります。

もっとも、公契約条例は発注側の「言い訳・責任逃れ」で
実際には公契約条例が守られているかどうかを具体的に調べません。
そして、「最低落札価格」を定めず、零細警備業者に安売り競争をさせています。
つまり、安売り競争をさせるために
公契約条例が守られていないことを知っていて知らぬふりをしているのです。
公契約条例が守られ、労基法や最賃法が守られたら入札価格が上がり(適正になり),
安く受けさせられないからです。

しかし、それが「労基法違反・最賃法違反の劣悪な労働環境を生み出している」ことを問題視されたら
自分の身を守るために手のひらを返したように公契約条例違反を持ち出してくるでしょう。

公共調達で宿日直業務を受注した警備会社さんは今からでも遅くはありません。
断続的労働の除外許可申請と最低賃金の減額許可申請をしておいてください。
発注側が議会で責任追及されるのは時間の問題です。

えっ?「そんなことをしたら赤字になる」ですって?

どんな場合でも「法令遵守」、まずは適正価格で入札しましょう。
ハシゴを外されて困るのは我々ですよ。

※断続的労働と賃金計算について → こちら
※公契約条例について → こちら

2.申請書類の書き方,添付文書

ここからは実際に申請書を作成していきます。
まず、申請書と記載例をダウンロードしてください。
・ 断続的労働の除外許可申請 → word pdf
・最低賃金の減額許可申請 → excelpdf記載例,※ダウンロードできないときはこちら
※労働基準法関係主要様式のダウンロードコーナー(厚生労働省) → こちら

a. 断続的労働の除外許可申請

・タイトル → 監視に消し線

・事業の種類 → 警備業
日本標準産業分類 : 大分類R/サービス業(他に分類されないもの)
   → 中分類92/その他の事業サービス → 小分類9231/警備業

・事業の名称 → 〇〇警備保障

・事業の所在地 → 〇〇警備保障の所在地(主たる営業所)

・監視の欄 → 空白

・断続的労働の欄
   業務の種類 → 〇〇庁舎の宿直・日直業務
   員数 → 〇〇名
   労働の態様 → 施設内巡回,開場・閉場業務,緊急対応

・使用者 → 職名と氏名、押印

・宛て名 → 〇〇労働基準監督署長 様
※最低賃金の減額許可申請の宛て名は〇〇労働局長

これで終わり。
実際に業務につく労働者の氏名や仕事の内容を説明する文書の添付は不要。
添付文書は最低賃金の減額許可申請の方で要求されます。
これは断続的労働の適用除外許可申請は最低賃金減額許可申請とセットでなされるからでしょう。
もし、断続的労働の適用除外許可申請だけを出すのなら添付文書が必要になるでしょう。
岡山労働局の添付資料

・2部作成
1部は受付印を押されて控えとして返却される。

b.最低賃金の減額許可申請

イ.各項目

以下の項目は記載例の注意に従って書けば問題ありません。

1.タイトル
・ 一人だけに対する許可申請 → 個人,同じ条件で複数人に対する許可申請 → 包括

2.事業の種類
・警備業(日本産業分類の小分類)

3.事業の名称
・〇〇警備保障

4.事業所の所在地
・〇〇警備保障の所在地
・実際に勤務させる施設の所在地を括弧書き
※ 警備業では事業所所在地と実際に働かせる所在地が違うが申請書がこれに対応していない。

5.減額の特例許可を受けようとする労働者
・個人の場合 → 氏名,性別,生年月日
・包括(複数名) → 〇〇名/別紙 (氏名,性別,成年月日を書いた名簿を添付する)

6.従事させようとする業務の種類
・〇〇庁舎の宿直・日直業務(詳細別紙)
・「記載例5頁」に詳しく書く

7.労働の態様
・施設内巡回,開場・閉場業務(詳細別紙)
・「記載例5頁」に詳しく書く

8.実作業時間数と手待ち時間数
・実作業時間数 → 〇〇時間〇〇分,手待ち時間数 → 〇〇時間〇〇分

9.減額の特例許可を必要とする理由など
・記載例通り

10.減額の特例許可を受けようとする最低賃金
・件名 → 〇〇県最低賃金、最低賃金額 → 〇〇〇円

11.支払おうとする賃金 → 次項

14.宛て先
・〇〇労働局長 様
・正しい名称を記載 → 例えば三重県なら「三重労働局長」

15.使用者
・職 → 〇〇警備保障の代表者の職名
・氏名 → 代表者氏名

ロ.支払おうとする賃金/金額・減額率

●例

・1ポスト,17:00~翌8:30,宿直業務
・A/所定定労働時間 → 15.5時間/930分(休憩なし)
・B/実労働時間 → 185分、C/手待ち時間 → 745分
・三重県最低賃金 → 874円
・日当 → 10300円

●減額できる率の上限(%)

・(手待ち時間×0.4)÷所定労働時間×100=745×0.4÷930×100≒32.04%
   ※%の小数点第3位以下切り捨て。
※手待ち時間は60%評価 → 40%を減額 → 所定労働時間1時間あたり何%減額したか。

●支払おうとする賃金/減額率

・実際の賃金は上の上限より低い減額率になる。
・記載例注意には「職務内容,成果,能力,経験を総合評価して減額率を決める」とされている。
   しかし、賃金は減額率を先に決めてからそれに基づいて賃金を算出するのではない。
   そこで、「12.支払おうとする賃金/減額率」は「上限減額率」としておけばよい。
・但し、減額率は%の小数点第第2位以下を切り捨て小数点第1位までとする。(注意書き)
・「12..支払おうとする賃金の減額率」 → 上限減額率 32.04% → 32.0%
   ※フォームに入力すると自動的に小数点第2位以下が切り捨てられる。

●支払おうとする賃金/金額

・最低賃金×(1-減額率)=874円×(1-0.32)=594.32≒594円
   ※1円未満の端数を切り捨て。四捨五入すると減額率が違ってくるから。
・11.支払おうとする賃金/金額 → 594円以上
・D=支払う賃金の下限=594円

●日当計算

・日当の下限=(所定労働時間-深夜労働時間)×D+深夜労働時間×D×1.25
   =(15.5-7)×594+7×594×1.25=10246.5円≒10247円
・実際の日当は10300円なので10247円以上となり「支払おうとする賃金/594円以上」となりOK。
   実際の日当10300円は記載不要。

●基準局がチェックするのは

・上限減額率の算出に間違いはないか。
・支払おうとする賃金の減額率が上限減額率を超えていないか。
・支払おうとする賃金の下限金額が減額率通りかだけ。
・「実際の賃金がいくらか,実際の減額率はどれだけか」には興味がない。

●13.支払おうとする賃金/理由

・記載例通りで可

●備考

・支払おうとする賃金/金額・減額率は受付担当者か計算し直すので空欄でもよい。
・所定労働時間数,実労働時間数,手待ち時間数を申告すればあとはやってくれる。

ハ. 実際の日当を基準に支払おうとする金額と減額率を定めたい場合

上記bのように記載すればそれでよし。
しかし、中には
「日当から支払おうとする賃金の金額と減額率を算出して記載したい」という方もいるでしょう。
そんな頑固な方への算出方法です。

●定めた日当

・日当の下限は10247円 → 日当を10300円と決めた。
   
●支払おうとする賃金/金額

・支払おうとする賃金/金額=日当÷所定労働時間=10300円÷15.5時間=664.51円 ではない。
   日当には深夜割増分が入っているので . 時間給にもそれが含まれてしまう。
   最低賃金は深夜割増などの割増分を含んでいないので.同じにしないと減額率が正しくならない。
※記載例の注意書き
「支払おうとする賃金欄の金額欄には
法第4条第3項各号に規定する賃金を除外した最低賃金の対象となる賃金を記載すること。」

・支払おうとする賃金/金額=深夜割増分を含む日当÷深夜割増分を含む所定労働時間
・深夜割り増し分を含む日当=10300円
・深夜労働割増分を含む所定労働時間=所定労働時間×1+深夜労働時間数×0.25
=15.5時間+7時間×0.25=17.25時間
・支払おうとする賃金/金額=10300円÷17.25時間=597.101≒597円(1円未満切り捨て/注意書き)
   ※実際には597.101円で597円より高いが .記載は「597円以上」なので問題はない。

●支払おうとする賃金/減額率

・減額率(%)=(1-支払おうとする賃金÷最低賃金)×100
=(1-597÷874)×100=31.6922≒31.6%
・記載例には「小数点第二位以下を切り捨てて第1位まで」とされているが.
フォームに「31.6」と入力すると小数点第一位以下が四捨五入されて32%となってしまう。
 受付係員は「これは書式フォームの作成ミスですね。」。
 四捨五入されるのがイヤなら手書きで「31.6」と記入する。

●支払おうとする賃金/金額と減額率の整合性の確認

・支払おうとする賃金/金額=597円
・減額率=31.693≒31.6% (記載例 : 「小数点第二位以下切り捨て」)
・支払おうとする賃金/金額=874×(1-0.316)=597.816≒597円(1円未満切り捨て) → 整合性OK
・もし整合性がなければ減額率の方で調整する。

ニ.作成部数,添付資料

●作成部数

・2部作成
・1部は受付印を押されて控えとして返却される。

●添付資料

・労働条件通知書(実際の巡回時間帯や作業内容を書いたもので労働者の確認印のあるもの)
・記載例の「断続的労働の詳細について(参考例)」
・労働者の連絡先(電話番号)
・仕様書または契約書

c.実地調査

●巡回場所,仮眠施設などの確認

・労働環境が申請書通りか現場を確認に来る。
・巡回場所・巡回経路の確認。実際に経路を通って確認。
. 宿直施設の確認 . シフトの確認。
・シフト表,マニュアル,巡回経路の略図を準備しておくとよい。
・労働基準監督署の職員が行う。しっかりと時間をかけて行います。

●労働者への確認

・申請した内容と実際に食い違いはないか確認する。
・電話確認など簡単な方法による。

●最低賃金の減額許可申請の方は調査なし

以上で調査は終わりです。
断続的労働の除外許可申請は労働基準監督署、最低賃金の減額許可申請は労働局ですが
一体となっているので調査は労働基準監督署が行います。
基準監督署が行った調査でOKなら労働局へ最低賃金の減額許可申請が回されます。

d.許可書の交付と効力

実地調査があってから実際に許可が下りるまで1カ月くらいかかります。
許可の書の交付日付は実際の日付ですが、
「許可の効力は申請日から生じる」旨の記載があるので、
申請から許可書の交付までに従事させた労働や支払った賃金には違法となりません。

許可書には申請書や添付文書などのコピーがつづられ、申請書には割り印が押されます。

断続的労働の除外許可は「その業務に対する除外許可」で
業務内容が変わらない限り無期限の許可です。
そのため、その業務を行わせる労働者が変わっても許可申請をしなおす必要はありません。

これに対し、最低賃金の減額許可は労働者個人に対するものです。
その業務を行わせる労働者が変われば新たに許可申請をしなければなりません。
また、業務受注期間により有効期間が付けられていることがあります。
同じ業務に同じ労働者を従事させる場合でも有効期間が過ぎたら許可を取り直さなければなりません。

e.最低賃金が変更された場合

最低賃金が改定された場合は再度許可申請が必要でしょうか?

必要ありません。

最低賃金の減額許可のメインは減額率です。
最低賃金が改定されても許可された減額率は変わりません。
支払おうとする賃金の下限が「改定された最低賃金×(1-減額率)」になるだけです。

このことは許可書にも記載されています。
「ただし、最低賃金額が改定された場合は、改定後の額に減額率を乗じて得た額を
   当該改定後の最低賃金額から減じた額とする。
   なお、減額率、を乗じて得た額に1円未満の端数が生じた場合には、1円未満を切り捨てること。」

このように最低賃金が改定(増額)された場合、
支払わなければならない賃金は許可された減額率が基準になります。
そのため、許可申請では「減額率をできるだけ高く」申請した方が良いでしょう。

実際の賃金が最低賃金から計算した額より高い場合、その賃金を基準にすると減額率が低くなります。
しかし、その減額率で許可を受けると
最低賃金が上がった場合にその減額率で計算した賃金を支払わなければなりません。
最低賃金の増額が何十円の単位ならそれほどの負担になりませんが、何倍なら支払えないことにもなります。
こういう場合は許可申請をやり直せばいいのですが面倒です。
最初からギリギリの減額率(上限)で申請した方が便利です。

上限減額率で許可を得ても、それ以上の賃金を支払うことはまったく問題がないのですから。
このような理由から、
上記「ハ. 実際の日当を基準に支払おうとする金額と減額率を定めたい場合」はお勧めできません。

3.実効性への疑問

●警備業界では法令違反が当たり前

私は以前勤めていた警備会社で上司から次のように指導されました。
『一人の隊員に有給休暇を取らせると皆が取るようになる。有休は取らせるな。』

次の警備会社では営業会議で社長が
『有休の “ゆ”を 口にした者はクビにしろ!』

この業界では
「文句を言った者,上司に逆らった者を 干す(仕事を与えない)」のは当たり前。
労基法や最賃法を持ち出したら働けなくなります。
そんな警備業界で断続的労働の除外許可申請や最低賃金減額許可申請が意味を持つのでしょうか?

●労働者が『その通りです!』で終わり

使用者がこう言います。
『労基から問い合わせがあったら「その通りです」と答えておいてネ。』
これで問題は起こりません。
労基もそれで責任を逃れます。それ以上の追及や調査はしません。

もし警備員が『違います』と答えれば
「キツイ現場」に回されたり,仕事を与えられなかったり,クビになったりします。
「資格や技能のない60歳超え・70歳超え」を雇ってくれるのは警備会社だけです。
収入がなくなれば少ない年金だけでは生きていけません。
それは警備員自身が一番よく知っています。

●そもそもほとんどの警備会社がこの許可申請をしていない

以上は警備会社が許可申請をした場合です。
そもそもこれらの許可申請をしていません。
「知っていて申請しない」場合もあるでしょうが、
「申請しなければ法令違反になることを知らない」場合がほとんどです。

許可申請をしなければ労基の実地調査も労働者への問い合わせもありません。
労基が自ら積極的に調べることばありません。

●発注側は「見て見ぬふり」

これは発注側も充分承知しています。
それは次のことから分かります。

〇発注される仕事が断続的労働として認められるかどうか分からない

断続的労働として認められるためには基準があります。
・巡回回数は 6回以内、一巡回の所要時間は1時間以内で合計4時間以内
・拘束時間は12時間以内、.勤務中の夜間に継続して4時間以上の睡眠ができるときは 16時間以内
・精神的緊張の大きい場所はダメ → こちら

しかし、発注者の示す仕様書には仕事の内容が具体的に書いてありません。
巡回回数は何回か,一回の巡回時間はどれだけか,巡回の合計時間はどれだけか,
連続してどれだけの仮眠時間がとれるのか,どのような仮眠場所があるのか…。
それらが具体的に示されていなければ、
受注する側は仕様書を見て「それが断続的労働として認められるかどうか」、
「許可申請をしないでその仕事をやらせたら労基法に反するかどうか」が分からないのです。

〇受注額(入札額)が見積もれない

さらに具体的な仕事内容が分からなければ実労働時間と手待ち時間が分かりません。
そのため、最低賃金の減額がいくら認められるのかが分からず、労働者の賃金を算定できません。
警備業は経費のほとんどが警備員に支払う賃金です。
労働者の賃金が算出できなければ受注額(入札額)の見積もりができないのです。

このように、発注側は発注する宿直・日直業務について
断続的労働の除外許可申請や最低賃金の減額許可申請を前提にしているとは言えないのです。
暗に「値段の安い方がいいから法令は無視していいよ…。」と言っているようです。

〇「最低落札価格なし」が法令違反・劣悪な労働環境を作っている。

当市(津市)の公共調達は「市内業者全員指名」です。
しかし「予定価格(最高落札価格)」はあっても「最低落札価格」がありません。
安ければ落札できて受注できます。

受注する警備会社は『警備員の生活を守るためには安くしてでも受注するしかない』
警備員は『生きていくためには給料が安くても仕事があればいい。』
結局、安売り競争となって法令違反・劣悪な労働環境がまかり通ってしまいます。

発注側は
『安く受けたのはそちらの責任ですよ!』。
さらに、
『言っときますが、談合や連合をしたら指名停止ですからネ。』
『もちろん労基法・最賃法違反はダメですよ。契約解除ですからネ。』

これで逃げられると思っているのです。
彼らは「最低落札価格なし」で安く受注させ市民の税金を節約したと思っています。
しかし、それが実際には法令違反や劣悪な労働環境を造り出し
憲法で保障された国民の基本的人権を害していることに気付いていないのです。
いや、気付いてはいるけど「気付いていないふりをしている」のでしょう。

彼らは下請けに不利益を押し付けて利益をむさぼる大企業と同じなのです。

〇一年ごとの入札で安値競争をあおる

だめ押しが「契約期間は一年間」で毎年入札をして落札者を決める。
毎年毎年安売り競争をさせて、受注額をどんどん下げようとしているのです。
本当にエグイと思いませんか?

●どうすればいいのか

・労基は積極的に動かない。
・発注者は見て見ぬふりで責任逃れ。
・受注者(警備会社)は自分と労働者の生活を守るために安くして受ける。
・労働者(警備員)は生きていくために法令違反や劣悪な労働環境を我慢する。

解決策は次の二つ。

・地方議会を動かして
   法令違反・劣悪な労働環境を造り出している「最低落札価格なし」をなくさせること。

・警備員一人一人が声を上げること。
   宿直・日直業務をやっている警備員に労基から問い合わせがなければ
   使用者は最低賃金の減額許可を申請していません。
※断続的労働の除外許可はその業務に対するものだから
   一度許可が下りたら労働者に業務の実態を問い合わせることはありません。
   しかし、最低賃金の減額許可は労働者一人一人に対するものだから必ず問い合わせがあります。
   労基からの問い合わせがなければ少なくとも最低賃金の減額許可は申請していません。

最低賃金の減額許可申請をしていないのなら、
賃金は「手待ち時間や仮眠時間を含む労働時間×最低賃金」です。
賃金がこれより安ければ使用者は最低賃金法違反で50万円以下の罰金です。
その仕事が公共調達によるものなら公契約条例違反で契約解除や指名停止となります。

もし断続的労働の除外許可申請もしていなければ
8時間を超えた時点で労働基準法違反となり、使用者は 6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金。
公共調達なら契約解除や指名停止になります。

労基への問い合わせは簡単です。
『市庁舎の宿直・日直業務を行っている警備員です。
   私の会社は断続的労働の許可や最低賃金の減額許可を受けていますか?』

労働者からの問い合わせがあれば労基は動かざるを得ません。
労基法・最賃法の罰則を背景に警備会社に許可申請をさせます。

すると来年度から使用者(警備業者)は法令違反のない適正価格で入札するようになります。
そして、「最低落札価格なし」でも適正価格で落札されるようになり、
警備員の賃金が普通のレベルに近づいていきます。

私は労働者ではなく使用者なので地方議会を動かす方を採ります。
労働者の方も一人一人が声を上げてください。
自分が声を上げなければ、いつまでたっても自分の違法労働・違法賃金は変わりません。

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