●RMX④ も 1年9カ月ぶりの「火入れ」

rmx火入れ2020
選任のための法律知識・



c.N型,R型,S型 と 29E00・01・02

SJ13 にはN型,R型,S型の三種類があります。
N型はフレーム№SJ13A-100001~104120
R型はフレーム№SJ13A-104121~104840
S型はフレーム№SJ13A-104841~

しかし、RMXでは「フレーム載せ換え」や「エンジンパーツの移植」が日常的に行われます。
そのため中古入手した車体のエンジンが何型なのかがはっきりしません。
エンジンに 形式別刻印 はありません。

N型とR・S型には大きな違いがあります。
互換性がない部品があるので要注意。

また、吸気,燃焼,排気系統も 29E00,29E01,29E03 の三種類があります。
各部品に互換性はありますが、設定の問題上「セットで使う」ことが原則となります。

イ.クランクシャフト右ベアリングの大型化

N型ではクランクシャフトの左と右で大きさの異なるベアリングを使っていましたが、
R・S型では「左右同じ」になりました。
その結果、N型より右ベアリングが大きくなりました。
「摺動抵抗の軽減」よりも耐久性を選んだのでしょう。

・N型 → 6305 ( 外径/62㎜Φ,内径/25㎜Φ,巾/17㎜ )
・R・S型 → 63/28 ( 外径/68㎜Φ,内径/28㎜Φ,巾/18㎜ )
・左側はN型とR・S型共通です。 → 63/28
※各ベアリングの型番と汎用品 → こちら

そのため、
①ベアリング外径が大きくなったので「右クランクケースのベアリングホールを6㎜大きく」。
②ベアリング内径が大きくなったので「クランクシャフトを3㎜太く」。
③ベアリング巾が1㎜増えたので「プライマリードライブギヤスペーサが1㎜短く」。 → こちら 

それゆえ、N型とR・S型の
右クランクケース,クランクシャフト,プライマリードライブギヤスペーサには互換性がありません。

①と②はすぐに判りますが、③のプライマリードライブギヤスペーサは気づきません。
N型は「23.5㎜」、R・S型は「22.5㎜」です。

なお、R・S型のクランクホイールにはバランサーが付いているので外観から判別できますが、
クランクケースやプライマリードライブギヤスペーサは外観から区別できません。
Yahooオークションに出品するときは写真だけでなく、
「ベアリング孔の内径」や「スペーサの長さ」を付け加えてほしいものです。

ロ. R・S型はエキゾーストバルブ室とミッション室のブリーザーを分離独立

具体的には
①シリンダーの排気バルブ室右壁に穴があるかどうか。
②排気バルブ右カバーに空気抜きがあるかどうか。

・N型 → ①あり,②なし
・R・S型 → ①なし,②あり。

排気バルブ室には未燃焼ガスや排気ガスが入り込みます。
これらは排気バルブ室左壁の穴から外に排出されます。
これが「エキゾーストバルブ室のブリーザー」。

一方、クランクケース内の温度上昇による圧力や流入ガスも外に抜かなければなりません。
これが「ミッション室のブリーザー」。

N型では排気バルブ室右壁に穴を開け、クランクケース内の圧力や流入ガスを
排気バルブ室の流入ガスと一緒に排気バルブ室左壁の穴から外部に放出していました。

しかし、R・S型では排気バルブ室右壁の穴をなくし、
クランクケース内の圧力や流入ガスを排気バルブ右室から外へ排出するようにしました。
これが「エキゾーストバルブ室とミッション室のブリーザーの分離独立」。
そのため、R・S型では排気バルブ右室カバーには空気抜きが付けられています。

互換性については「原則としてありません」。
・排気バルブ室右壁に穴がないR・S型のシリンダーには、空気抜き穴のあるR・S型のカバー。
・排気バルブ室右壁に穴のあるN型シリンダーには、空気抜き穴のないN型のカバー。

前者で、
排気バルブ室右壁に穴がないR・S型のシリンダーに空気抜きのないN型のカバーを付けると
クランクケース内の圧力が抜けず、クランクケース内オイルシールの損傷を引き起こします。
N型のカバーを使う場合はカバーに空気抜き穴を開けなければなりません。

後者で、
「排気バルブ室右壁に穴のあるLN型シリンダー」に「空気抜きのあるR・S型カバー」を使うと
致命的な弊害は起こりませんが、排気バルブ室の未燃焼ガスや排気ガスが排気バルブ右室に流れ込み
排気バルブ右室のサビを助長させます。
R・S型のカバーを使う場合は空気抜きを塞ぐ必要があるでしょう。 → こちら

なお、排気ミドルバルブの形状がN型とR・S型で違っていますが、
バルブがつくるアーチは同じですから、互換性はあるはずです。

ただ、排気バルブキャップの締めつけ量(バルブ初期押しつけバネの強さを調整)が、
N型の 1/2 回転から R・S型では1.0 回転に増えています。
つまり、R・S型ではN型よりバルブの初期押しつけ力が強くなっています。
これがミドルバルブの形状変更に関係するのなら、
R・S型のミドルバルブを使うときはバルブキャップの締めつけ量を1.0 回転にするべきでしょう。

ハ. クラッチベアリング,その他

N型のクラッチベアリング巾は 22.0 ㎜、R・S型では 21.8 ㎜。
スペーサやプライマリードリブンギヤ(クラッチハウジング)は同じです。
PJやRJでは 21.8 ㎜を使っていますが、SJ13・N型で 22.0 ㎜にし、
R・S型ではPJ・RJと同じにしただけです。互換性はあります。 → こちら

また、R・S型では
フロントフォークとリヤショックアブソーバーに伸側減衰力調整機構を追加しましたが
リンクは変わっていませんので互換性はあります。

ニ.キャブレター

キャブレター形式は
N型に29E00と29E01、R・S型に29E02。
違いは各ジェット類。これらは設定の違いで互換性とは関係ありません。

N型とR・S型で形状が違うのは、ピストンバルブとニードルジェットの頭。
N型では両者が大きく、R・S型では両者が小さくなっています。
ただし、これらを取り違えても走行にそれほど問題はありません。 → こちら

ジェットニードルについて
・6BGK-1 → N型 / 29E00標準 ( 部品番号.13383-29E00 )
・6BGK-7 → N型 / 29E01標準(部品番号. 13383-29E20 )
・6BGK-8 → R・S型 / 29E02標準(部品番号.13383-29E30 )

違いは、
6BGK-8 を標準とすると、スロットル開度25%~90% で 6BGK-7 が濃くなり、 6BGK-1 が薄くなる。
そして、 その違いは50%前後で一番大きくなる。
簡単に言えば、「濃さ」が 6BGK-1 < 6BGK-8 < 6BGK-7。

6BGK-8 と 6BGK-1 を比べると
6BGK-8 は 6BGK-1 よりストレート部がクリップ一段分長く、6BGK-1 より中回転で薄くできる。
また、6BGK-1 よりテーパーの角度がきついので 6BGK-1 より高回転で濃くできる。

こう説明されると、「低~中回転域のよどみ」に苦労している者としては「6BGK-8」に触手が動きます。
しかし、試してみると「それほど」でもなく、結局私は「6BGK-1」を使っています。

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