e. 親指シフトを見放した富士通
イ. 現代人は「かな」で考えない
親指シフト・かな入力には一つだけ欠点があります。
それは「別に英字入力を習得しなければならない」ことです。
英文を打つ機会がなくても、文章の中で英単語を使ったり、パスワードを入力したりすることは普通に起こります。
初めからローマ字入力なら、そのまま英単語や英文を打つことができます。
もっとも、これは「親指シフトの欠点」ではなく「かな入力の欠点」ですが…。
ローマ字入力は日本語も入力できて英文も入力できる。
しかも24個のキー操作を習得すればよい。
ブラインドタッチは当然。
馴れれば親指シフトに負けない速さで入力できる。
「日本人の思考回路はかなででき上がっている」は現代っ子には当てはまりません。
「ご飯・みそ汁・魚」は「パン・スープ・肉」に変わっています。
ケイタイメールの「恐ろしいほどめんどうくさい入力」を歩きながらやれるのです。
彼らにとって「愛」は
「a → あ → i → い → あい → 愛」であっても、
「あ → い → あい → 愛」であっても何のストレスもかからないでしょう。
「あ・い→愛」である必要はまったくないのです。
ロ. 親指シフトからの撤退
このような風潮・時勢に合わせて、富士通は「親指シフト・かな入力」を完全に見放します。
「かな入力」に固執しても儲からないからでしょう。
Japanist は 「2003」から新しくなっていません。
Japanist10 は windows10・64bit対応版で中身は2003です。 → こちら
これが最終バージョンで富士通は親指シフトから撤退することになりました。
※富士通製の親指シフトキーボードは、2021年5月に販売を終了、2026年6月にサポート打ち切り。
もう、親指シフトは消え去るのです。
その内に「日本の伝統文化・かな入力」という特集番組が放映されるかもしれません。
ハ. 親指シフトの現在の不具合
不具合が生じるのは富士通が Japanist をアップデートしないこと。
いつの頃からか、Microsoft IME が強くなってきました。
Japanist で入力していると、Microsoft IME 切り替わったり、Japanist が機能しなくなったり。
HPBでは内部リンクを張ったり、外部のサイトに接続したりすると Japanist が機能しなくなります。
ネットで紹介されている「Microsoft IME に勝手に切り替わるのを防ぐ方法」をためしてもダメ。
ATOC では 「Microsoft IME 削除」ができるのに Japanist ではできない。
もちろん、これは ジャストシステムの hpb19 にも問題があるのでしょうが、
17年も放置してアップデートしてこなかった Japanist のせいでしょう。
世間ではこの不具合に対していろいろな方策が考えられています。
ジャストシステムのATOC では親指シフトが使えるようになりました。
Microsoft IME で親指シフトが使えるソフト「やまぶき」も開発されました。
両方試してみましたが、やはり「本来の親指シフト」ではない。
結局、Japanist が機能しなくなるたびに、
いったん、IME を Microsoft IME に切り換えたあとに Japanist に切り換える。
これでは、文章を書く流れが止まってしまいます。
かな入力の親指シフトは日本文化そのものです。
障子,畳,土壁 と同じで日本人の生活習慣に合ったものです。
それがなくなってしまうのです。
生き返れ、富士通!
復活せよ、親指シフト!
2. Word Press と親指シフトの相性
( なんとかクリアー)
さてさて、Word Pressでなんとか頁を作れるようになりました。
COCOON では自分好みにいろいろ設定 ( 変更 ) できるので、HPBで作った頁と同じようなものにできます。
いままでの頁より読みやすくなっていますが、それは文字が大きくなっているから。
HPB頁で使っていた文字は「10ポイントよりやや小さい」。
この Word Press 頁では「16px ≒ 12pt」。
今までのHPB頁でも「12ポイント」を使えば読みやすくなります。
HPBで当たり前のようにできていた操作もなんとかできるようになりました。
① 検索置換ラベル ( アンカー ) を付ける
② 検索・置換
③ 広告ファイルの「 php インクルード」( ※次項 )
④表に画像を入れる
①,②,③についてはHPBの場合とほとんど同じように操作できます。
④につついては同じようなことがなんとかできます。いざとなればHPBで作って「phpインクルード」。
問題は、
⑤ 自由に空白が入れられないこと
⑥ 「enter」と「shift+enter」が入れ換えられないこと
⑦ メインカラムとサイドバーが独立して動かないこと
この中で、⑤と⑥は文章を書く場合に大きなマイナスとなります。
ただ、⑥と⑦については修正方法がありそうです。
また、これから COCOON さんが解決してくれるかもしれません。
( Word Press の利点は 以外なところに)
・Word Press の 目次自動作成,パンくず,頁区切り,ウイジェットは便利な機能です。
・いちいちHPBを立ち上げなくても、ブラウザで頁を見ながら訂正・加筆できるのはとても便利です。
・シェアボタンにも期待できます。
・ブロックによる頁作成も馴れれば負担になりません。
・行長が短いのは文字が大きいから。これは「読みやすさ」を担保するため。
しかし、意外なところに Word Press の利点がありました。
それは「Japanist が機能停止しない」こと。
HPBでは頻繁に「機能停止や Microsoft IME への切り替わり」をしていたのに、それがまったく起こりません。
これは、私にとって「とても大きな利点」となります。
私は HPB から Word Press へ移ることにしました。
( 食わず嫌い では?)
文章を書くのが好きな方、親指シフトを使っている方、ぜひ Word Pressで頁を作ってみてください。
『あんなものは、軽薄短小。中身よりパッケージを見せるもの。
自分が作るのは四コマ漫画や漫画週刊誌じゃない。
文章の勝負するのにケバケバしいお飾りは不要!』
確かに、あちらこちらでそんな頁が見受けられます。
プラグインのインストールや有効化について「このボタンを押してこうなります。次は…」
と延々と説明し、皆が知りたい「細かい設定方法や不具合回避」についてはほとんど触れられていない。
「誰でも知っているようなこと」を大げさに取り上げるけれど、
ネットに紹介されていない「誰もが知りたいこと」が書いてない。
( というよりも、ネットで仕入れた知識を取り上げているだけだから、それ以上のことが書けない。)
箱を開けたらまた箱、その箱を開けたらまた箱。箱をどんどん開けていくと「小さなビスケットが一枚」。
SEO 対策だけはしっかりしているから、こんな内容のない頁が検索トップを占める。
しかし、これらは「頁の作り手の問題」であって「Word Pressの問題」ではありません。
作り手が「見栄えのよい頁が作れる Word Press 」で「内容のなさ」を隠しているだけです。
それは、Word Press の欠点ではありません。
我々は Word Pressで「文章を魅せる」頁を作ればよいのです。
「食わず嫌い」は損ですよ。
さあ、 COCOON でWord Pressを始めてみましょう。
3.追記 / Word Press その後の感想
Word Pressを使い始めてから三カ月。
記事も12本書きました。
感想は『ホームページビルダー ( ジャストシステムのhpb ) より楽』
●何といっても「Japanist ・親指シフト」がストレスなく使える。
ときどき hpb ( ジャストシステム・hpb19 ) で作った頁に加筆・変更をしますが、
「リンクを張ったら」、「外部サイトを見たら」、
「とにかく、頁のテキストを触る以外のことをしたら」、Japanist ・親指シフト が無効になります。
そのたびに、いったんマイクロソフトのIMEに切り換えてから Japanist に切り換えなければなりません。
今までは、「それが普通」だと思っていました。
しかし、Word Press を使ってみて「それが異常」なのだと知りました。
Word Pressでは「Japanist ・親指シフト」が無効になりません。
もう頁作成中に「japanist への切り換え」は必要ありません。
「産みの親の富士通に見放された japanist 」を使うのなら「hpbよりWord Press」でしょう。
※但し、レスポンスが悪い
Word Pressの作成・編集画面はPCのモニターに映し出されますが、実際に作業しているのはサーバーの領域です。
入力と画面反映にはPCとサーバーの往復時間がかかります。
そのため、PCで文章を書いているようなダイレクト感がありません。
入力とモニター画面が「ほんの少しだけ」遅れます。
編集頁が大きくなるとレスポンスに1~2秒かかることがあります。
クリックして位置指定をしたのにできない場合もあります。
これはPCの処理能力,サーバーの処理能力,プロバイダーの通信能力にも関係しますが避けられないことです。
文章を考えながら入力していく親指シフターにはこの「もどかしさ・グニャグニャ感」が気になるところでしょう。
その点は覚悟しておいてください。
なお、当然のことながらネット接続の環境になければ作成・編集はできません。
気が向いたときに、いつでも、どこででも書きたければ 携帯 Wi-Fi が必要となります。
●字体の変更が確実にできる
hpbでは「一昔前の主流の小さな文字」を使っていました。
大きさは「10p・やや小さい」。
しかし、Word Pressで「16px」を使うとこちらの方が読みやすい。
そこで、hpb の頁を「10p・標準」へ。
「石器時代」と揶揄される hpb でも「サイト内頁の字体一括変換」はできます。
しかし、頁によって「変換されるものと変換されないもの」。
変換されない頁について個別に変換しても変換されない。
原因は分かりません。hpb19 の不具合か、操作間違いか。
サイト全体の字体が小さいのなら読者は「表示拡大」で対処できます。
しかし、頁によって字体の大きさが変わるとかえって読みにくくなります。
結局、「一括変換」でもとの「10p・ やや 小さい」に戻しました。
Word Pressでは「字体の一括変換」は確実。
全頁を「すぐに、確実に」統一できます。
●読みながら頁の改訂・加筆ができる
私は自分の書いた記事をよく読み返します。
そこで、タイボ ( 入力ミス )、記述ミスを見つけた場合はそれを修正します。
hpb では ソフトを立ち上げて、その頁を開き、改訂してアップロード。
「入力ミス一字」を修正するためにもこの作業をしなければなりません。
Word Pressなら「読み返している頁で固定頁を編集」、改訂後「更新」。
続けて次が読める。
「こは改行した方がよい。ここの言い回しはくどいのでこうした方がよい。」
気付いたときに「気軽に、すぐに」修正できます。
これは文章を書く者にとってとても便利なことです。
●「使いにくい」のは「自分の好み」
hpb を使ってきた者にはWord Press の使いにくい部分があります。 → こちら
しかし、それは「hpb でやってきたことを、同じようにやろうとする」から。
そもそも、
「今までやってきたことは自分の好みであり、読者の望むものではないかもしれない」。
私はオートバイに乗るので車はマニュアルシフトです。
マニュアル車のしゃくるような加速、ハンドルに押しつけられる減速。
これを「路面との一体感」と感じるのは運転している者だけでしょう。
同乗者には不快ものではないでしょうか?
「空白が自由に入れられない!」
空白は半角一個で統一してください。その方が読みやすいです。
「行頭の字下げができない!」
そんなものは必要ありません。英語と同じ「ベタ打ち」にしてくたざい。
「画像ブロックと画像説明ブロックが離れていて、一体感がでない!」
行間は広いほど読みやすいのです。
「shift+enter での 段落内改行がメンドウ!」
そのうちに COCOON さんが「 段落内改行を enter でやれる」ようにしてくれます。
それまで待ってください。
「メインカラムとサイドバーが独立して動かない!」
サイドバーにたくさんの項目を入れるからですよ。
※HPBで作った2フレーム頁 ( 両カラム独立 )
※Word Press/ COCOON で作った頁 ( メインカラム追従 )
読者の読みやすいのは「サイドバー追従とメインカラム追従」です。
「ファイルの名前を変えたら自動でリンク集製をしてくれない!」
ファイルの名前変えなければいいじゃないですか。
そもそも「込み入った頁を作ること」を初めから想定していないのです。
現代の若者は「込み入った頁や内容の多い頁」なんかスルーです。
以上のように、自分が使いにくいと思っている点は読者にとっては不要なものかもしれません。
このように考えてみると「Word Press は今風読者の読みやすい頁を作るソフト」だと思えます。
マニュアル車大好きの方も「現代のオートマ」に乗ってみてはどうでしょうか?
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