3.届出書の書き方
a.保険関係成立届
〇用紙
・複写式のため e_Gov サイトからダウンロードできません。
・基準監督署かハローワークでもらえます。
・「労働保険の成立手続きはおすみですか?」のパンフレットに書式・記載例が掲載されています。
〇電子申請
・できます。 → こちら,こちら
・ただし、基準監督署では間違い部分を訂正してくれるので紙申請の方が簡単です。
〇注意
・記載意は「用紙の3頁」にあります。
パンフレットの青色の注意書きよりも詳しいので用紙3頁に従って記入すること。
・以下には「?」と思うようなところを説明。
⑯種別 → 0/継続
・0/継続 → 適用事業(雇用)終了の時期が予定されていない場合。
・1/有期 → 工期のある建設事業のように適用事業(雇用)終了の時期が予定されている場合。
・2/任意加入 → 労働保険の暫定任意適用事業の場合
※労災保険の暫定任意適用事業
・労働者数5人未満の個人経営の農業で、特定の危険又は有害な作業を主として行う事業以外のもの
・労働者を常時は使用することなく、かつ、年間使用延労働者数が300人未満の個人経営の林業
・労働者数5人未満の個人経営の畜産、養蚕又は水産(総トン数5トン未満の漁船による事業等)の事業
※雇用保険の暫定任意適用事業
下記に掲げる農林水産の事業で、常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の事業。
・土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
・動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業
※詳しくは→ こちら
〇宛て先 → 労働基準監督署長
・宛て先に「労働局長」の選択肢があるのはなぜか?
パンフレットによれば保険関係成立届の提出先は.
一元適用事業が労働基準監督署.
二元適用事業が労災保険/労働基準監督署. 雇用保険/公共職業安定所。
労働局へ提出する場合がないのになぜ選択肢にあるのか?
この点を係員に質問したら「分からない」とのこと。
⑲名称・氏名
・電話番号は左詰め
・雇用保険適用事業所設置届では右詰め。
⑳名称・氏名(漢字)
・英文字の小文字はOK
・雇用保険適用事業所設置届の「3.事業所の名称(漢字)」では英文字は大文字だけ。
㉑元号
・令和 → 9
・雇用保険適用事業所設置届では「令和 → 5」
㉓常用使用労働者数 → 「一日に何人使うか」?
・1日平均の使用労働者数=年間延べ使用労働者数÷所定労働日数
・月~金の1ポストの日直業務・1年契約に二人を隔日で配置すれば
常用使用労働者数=2×5÷5=1人
・ 月~日(毎日)の1ポストの日直業務・1年契約に平日だけ二人を隔日で配置するのなら、
常用使用労働者数=2×5÷7≒1.4人(土日は事業者が入る)
・ただし、交通誘導や雑踏警備では年間の所定労働日数が不確定だから、
また、ここの数字は保険料の算出にに関係してこないからだいたいの人数でよいでしょう。
㉙法人番号 → 個人の場合は0を記入または何も記入しない
・パンフレットの記載例には「個人事業主の場合は13桁すべてに0を記入」とあるが.
何も記入しないでもよいらしい。3頁の記載注意にも「すべてに0を記載」とは書かれていない。
・概算申告書の㉛にも同じ法人番号の欄があるが.個人事業主の場合はなにも記入しないでよいらしい。
概算申告書の記載例にも「0を記入せよ」としていない。
・これは「何も記入していないと記入忘れなのかどうか分からない」ので
個人事業主の場合は「0」を記入させるのだろう。
だから概算申告書の㉛にも「0」を記入した方がよい。
○事業主氏名(右下) → 個人の場合は個人名
・「法人のときはその名称および代表者の氏名」とあるが、
個人の場合は代表者の氏名だけでよいのか? → 係員『個人名でよい』。
①事業主 → 個人営業の場合は事業主の住所と氏名
・事業主の住所と氏名、法人の場合は主たる事務所の所在地と名称。
・これが以後の書類の送り先になる。
・個人営業の場合でも「②事業欄」に所在地を書くが、
そこに送るより事業主の住所の方が確実に届くからだろう。
〇事業主控え → 届出後、受付印を押されて渡される。
b.概算保険料申告書
〇用紙
・複写式のため用紙を e_Gov サイトからダウンロードできません。
・基準監督署かハローワークでもらえます。
・「労働保険の成立手続きはおすみですか?」のパンフレットに書式・記載例が掲載されています。
〇電子申請
・できます → こちら,こちら
・紙申請の方が簡単です。
〇タイトル
・概算に〇
①労働保険番号
・aの保険関係成立届を提出すれば与えられる。
⑪概算・増加概算保険料算定内訳
・⑦確定保険料算定内訳は空白、⑪概算・増加概算保険料算定内訳の方に記入。
・⑫保険料算定基礎額の見込額 → イ.労働保険料の欄だけに書く。ロとハは空白。
・⑬保険料率 → イ.労働保険料率,ロ.労災保険分,ハ.雇用保険分の三つを書く。
イ.労災保険分とロ.雇用保険分はイ.労働保険料率の明細みたいなもの。
・⑫見込み額は千円単位. ⑭概算保険料は1円単位。
㉛法人番号
・個人事業主の場合は保険関係成立届の㉙のように「00…00」と書くが、空白でも可。
㉖加入している労働保険
・初めての申請の場合はどうなるのか? 丸印なしか?
・すでに「a.保険関係成立届」を出しているので
労災保険と雇用保険手続きは終わっている。 → イ.労災保険とロ.雇用保険に○。
㉗特掲事業とは?
・係員も知らなかった。
・『「ロ.該当しない」でよい』とのこと。
〇領収済通知書
・手書き。
・労働保険番号を記載。
・切り離して金融機関で振込。
・支払い期限は「労働関係が成立した日の翌日から起算して50日以内」-
〇事業主控え → 届出後、受付印を押されて渡される。
〇増加概算保険料の申告・納付
・概算保険料申告書を提出したのちに年度の途中において、事業規模の拡大などにより
賃金総額の見込額が当初の申告より2倍を超えて増加し、
かつ、その賃金総額に基づく概算保険料の額が申告済みの概算保険料より13万円以上増加する場合は
増加額を増加概算保険料として申告・納付。(パンフレットP5)
c.雇用保険適用事業所設置届
〇用紙
・e_Govの作成コーナーで入力してブリントアウトすることはできない。
・e_Govでの入力は電子申告用。
ハローワークへ提出する場合は書式をダウンロードして手書きしなければならない。
この点は確定申告より遅れている。
〇電子申請
・できます。 → こちら,こちら
・もちろん紙申請の方が楽です。
○記入するのに迷うところはないが以下に注意。
・3.事業所名(漢字)で英小文字が使えない
・6.事業所の電話番号は左詰め
・7.設置年月日の令和が「5」
・21.社会保険加入状況ば○で囲む
・これらはすべて裏の「注意」に書いてある。
〇裏面の22.登録印
・注意に「22は事業所印と事業主印または代理人印をおしてください」とあり.
事業所印影欄と事業主(代理人)印影欄の二つがあるが.
『今後の手続きをするための印鑑を一個登録すればよい』とのこと。
個人事業主なら請求書や入札書に使う印を事業主印影欄に押せばよい。
〇裏面の23.最寄りの駅またはバス停から事業所への道順
・簡単な地図を描く
〇事業主控
・届が受理されると「雇用保険適用事業所設置届事業主控え」という文書を渡される。
d.雇用保険被保険者資格取得届
〇用紙
・用紙のみダウンロード,記入してダウンロードもできます。 → こちら
※以前は記入してダウンロードはできませんでした。
〇電子申請
・できるようです。暇な方はどうぞ。 → こちら,こちら,こちら,こちら
1.個人番号
・マイナンバー
・本人確認は必要だが. 「マイナンバーカード」や「個人番号と免許証」のコピーは不要。
2.被保険者番号
・雇用保険の番号は一人に一つ。
・雇用保険証の氏名と一致しているかどうかも確認する
3.取得区分
・新規 → 「過去に被保険者になったことがない」または「被保険者でなくなってから7年以上経過」
9.被保険者となったことの原因
・別のところで働いていた者を雇う場合 → 2.新規(その他)
10.賃金
・日給を選んでも賃金は月額を書く
12.雇用形態
・1週間の所定労働時間が30時間以内 → 3.パートタイム
・雇用期間の定めがある場合 → 4.有期契約労働者
・1.日雇い,2.派遣,3.パートタイム,4.有期契約労働者,5.季節的雇用,6.船員以外 → 7.その他
〇受理されると
イ.雇用保険被保険者資格喪失届
ロ.雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主控)
ハ.雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)
ニ.雇用保険被保険者証
が全部記載された用紙を渡される。
ハとニを切り取って労働者に渡す。
ロは切り取って事業主の控にする。
イは労働者が退職したときにハローワークに提出する。
※一元適用事業と二元適用事業
パンフレットのP2とP3に出てくる言葉です。
パンフレットの説明では、
〇一元適用事業
・労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付等に関して両保険を一元的に取り扱う事業。
〇二元適用事業
・事業の実態から、労災保険と雇用保険の適用を区別する必要があるため、
両保険の保険料の申告・納付等を二元的(別々)に行う事業。
・一般的に、農林水産業・建設業等が二元適用事業となり、それ以外の事業が一元適用事業となる。
これだけでは何のことかわかりません。
ネットに溢れる情報も上の説明をそのまま転記したものがほとんど。
検索し続けてやっと「目新しいもの」を見つけました。 → こちら
これを参考にすると次のような説明になります。
〇一元適用事業
・労災保険関係と雇用保険関係が一つの事業について成立するもの。
〇二元適用事業
・労災保険関係と雇用保険関係が別々の事業について成立するもの。
〇二元適用事業の例として
・建設業では元請業者がまとめて労災保険料を負担し、
下請業者に雇われている労働者も元請業者の手続きをした労災保険の適用を受ける。
・この場合、労災保険関係は元請業者と下請業者の雇う労働者の間に成立し、
雇用保険関係は下請業者と下請業者の雇う労働者の間に成立する。
〇法的根拠は徴収法39条1項、徴収法施行規則70条
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