シフトレバーブーツが剥げてきましたのでサンゲツの椅子生地で作りました。
既製品や純正よりしっかりとしています。
サイドブレーキブーツも剥げていたのでこれも自作しました。
オートバイのシート張替えより簡単です。
既製品を付けるより「愛着」が湧きます。
「ミシン縫製」が必要ですが「手縫い」でも問題ありません。型紙も作りました。
- シフトレバーブーツ自作
- サイドブレーキブーツ自作
- サイドブレーキブーツ改良型
1.汎用品でも構わないが…
シフトレバーのカバーが剥げてきました。
生地もヘロヘロになっています。
※スバル純正部品品番:92123FG100JC → こちら
汎用品を入手しました。 → こちら
値段に巾がありますが安価のもので充分です。
サイズが少々小さくても伸びるのではめられます。
写真のような切り欠きはありません。
取付枠にセットできるように現物合わせで切っていきます。
大きい場合は下部を切除するのですが、純正カバーと底辺や斜辺を同じにしてはいけません。
純正カバーは立体的に作ってあります、汎用品は平面的にしか作ってないからです。
写真はカバーを上から押し付けた状態で重ねて底辺と斜辺を同じにしたものです。
「伸ばして、伸ばして」やっとはまりました。
汎用品は「まずそのままで取り付け」、そのあと、ダブつく部分を修正していきます。
なお、インプレッサのシフトノブはシャフト径14㎜φですが
下部に22㎜φのプラスチック突起がはまっています。
この突起に柔らかいプラスチックリングがカバーの内部からはまります。
カバーの上端はこのプラスチックリングでシフトノブに固定されます。
汎用カバーはこのような造りになっていません。
シャフトはカバー上端のリングに「通る」だけです。
つまり、カバーはシフトノブに固定されません。
また、シフトノブはプラスチック突起から上がカバーから出てしまいます。
2.作ってみましょう
RMXのシート張替えに使った生地が残っています。
シート張替えで気に入った「サンゲツの椅子生地」を使うことにしました。 → こちら
カバー取り付け枠は「前/130㎜,後/120㎜,両側/140㎜」の台形です。
※角が丸くなっているのでおおよその測定値です。
※スバルマニュアルでこれに近い値なら同じでしょう。
a.型紙を作る
●採寸
純正カバーを拡げて採寸。
変形しているので引っ張ってセロテープで貼り付け。
強く引っ張ると元の寸法より伸びてしまいます。
「端をまっすぐにする」ことを基準に。
●型紙作成
次のような結果になりました。
まずは「前横」の部分。
①半径260㎜の「90度+α」の部分円を描く。
②半径250㎜の「90度+α」の部分円を描く。
③半径240㎜の「90度+α」の部分円を描く。
④半径250㎜の円弧上で350㎜の弦になる部分をマーク。
※斜辺が250㎜,底辺が350㎜の二等辺三角形を作る。この時の頂角が必要な円弧の中心角
※sinθ=178/250=0.7 → sin45=0.7071 → θ≒45度 → 円弧の中心角=θ×2≒90度+α
⑤上部に半径10㎜の円を描きこの部分を切り取る ( c ) 。
⑥両端は240㎜の円周上、真ん中は260㎜の円周上、これらの真ん中が250㎜の円周上に点。
⑦両端の点と250㎜円周上の点を結んで、その外側を切り取り、d部分を作る。
⑧両端に巾10㎜の縫い代を取る ( b ) 。
⑨縫い代の両端を10㎜切除。
aが本体。
次に「後ろ」の部分
①半径270㎜の「30度+α」の部分円を描く。
②この円弧上で120㎜の弦になる部分をマーク。
※斜辺が270㎜,底辺が120㎜の二等辺三角形を作る。この時の頂角が必要な円弧の中心角
※sinθ=60/270≒0.2222 → sin13=0.2250 → θ≒13度 → 円弧の中心角=θ×2≒26度+α
③上部に半径30㎜の円を描きこの部分を切り取る ( c ) 。
④両端に巾10㎜の縫い代を取る ( b ) 。
⑤縫い代の両端を10㎜切除。
後ろの部分と前横の部分の合わせ目は230㎜になります。
少しくらい小さくてもOKです。
素材が伸びますから。
但し、大きく作るとダブつくかもしれません。
b.裁断・縫製
型紙を当てて裁断すれば無駄が少なくなります。
縫製は裏返して縫い代の部分をミシン掛け。
( 縫い目は引っ込むので手縫いでも問題ありません.)
縫い代を折り返して縫えば丈夫になり、縫い目の両側にステッチが出て見栄えがよくなります。
但し、先がすぼまっているので最後まで縫えず、見苦しいステッチになります。
強く引っ張られる部分ではないのでそれほどの強度は必要ありません。
心配なら二重縫いにすればよいでしょう。
どうしてもステッチが必要なら、縫い目の両側に飾りステッチを縫えばよいでしょう。
真ん中が「飾りステッチ」をしたものです。
左は純正カバーに合わせてあらかじめ切り欠きを作ったものです。
取付では切り欠きの部分がずれていました。
この切り欠きは「取付のときに現物合わせで作る」方が作業がやりやすくなります。
右はシート張替えで気に入らなかった「のびのび表皮」で作ったものです。
縫製の時に表皮が伸びるので真っすぐに縫えませんでした。
お勧めしません。
c.取り付け
取付枠に後ろ側から取り付けていきます。
折り曲げは10㎜~15㎜。
・取付枠の「突起・爪部」に合わせて表皮に切り込みを入れる。
・表皮を折り曲げ、引っ掛け爪部分にカッターで切れ目を入れて、表皮を引っ掛ける。
・「突起・爪部」の表皮を切り取る。
・セットした部分をクリップで留める。
取付枠からはみ出る場合は折り曲げを大きくして修正してください。
カバーが取付枠にピッタリと重なっていないと見栄えが悪くなります。
取付枠の爪は後ろに38㎜巾が1個、前に12㎜巾が3個、両側に12㎜巾が2個ずつ。
この程度の「ピッタリ」でOKです。
内部リングを紛失しないように。
生地がしっかりしているので自立します。
シフトレバーに取り付ければ適度に潰れます。
取付手順は
①カバー頂部に4か所くらい10㎜長の切れ目を入れる。
②シフトシャフトに内部リング,シフトカバーを通して、シャフトのネジ部を出す。
※枠はまだ取り付けない。
③シフトノブをシャフトにねじ込む。
※しっかり止まるまで。
④細いマイナスドライバーで、外側から内部リングの中にカバー頂部を差し込む。
※作った切れ目以上に差し込むのがベスト。
※カバー上部が重なって差し込めない場合は必要な分だけ切除。
※内部リングを持ち上げシフトノブ突起と接するようにして差し込むとよい。
※内部リングを内側から持つか外側から持つかはお好みで。
⑤カバー上端を差し込んだ内部リングをシフトノブ下部の突起に「グキッ」とはめ込む。
⑥取り付け枠を「パッチン」と取り付ける。
上の手順は取り付けた後に分かったこと。
内部リングにカバー上端を差し入れるのにてこずり、上端部をドンドン切ったために
上端部の開きが内部リングより大きくなり「ダブり」が出てしまいました。 ( 取り付け部後ろ )
この部分が外れてくるようなら、飾りステッチ入りのカバーに取り換えます。
まだ「試行錯誤を繰り返していない」ので問題点が出てくるかもしれません。
皆様は「それを解決すること」を楽しんでください。
案外、スバルブルーの生地で作れば目新しいかもしれません。
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どちらも「立ちごけ」しません。