1.なかなか手放せない「控え選手」のRMX
物置は5台のオートバイで一杯になっています。
KTM690SMに乗りたいのですが、そのためにはどれか一台を処分しなければなりません。
手放すのなら右から二番目のRMX③。
左から二番目のRMX④と同じ「控え選手」です。
「控え選手」が二台あって、スペアーエンジンが二機。
『70歳を前にして “控え選手“は一台あれば充分でしょう!』
しかし、この黄色いRMXがなかなか手放せない。
前回「火入れ」したのは2018.12。1年9カ月も冬眠。
そろそろ「火入れ」だけでもしなければ。
こちらが今回「火入れ」するRMX③。
試乗するためにロードタイヤになっています。
2.RMX③について
a. 恐怖の初歩ミス「クランクシャフト右オイルシール逆組み」
初代RMXのエンジントラブルでエンジン換装のためにこの「書なし」RMXを入手。
おまけに「書付きフレーム」。
この書付きフレームに別途入手したエンジンを載せて一台組み上げたのがRMX③。
※こちら、こちら
なお、このエンジンのクランクケースを後で分解してみたら、
「恐怖の初歩的ミス。クランクシャフト右側のオイルシール逆組み」
プライマリードリブンギヤ,クラッチ一式,スターターギヤを交換。 → こちら
この「恐怖の初歩的ミス」はあちらこちらにあるようです。
「走行3386㎞ で取り外し、5年間大切保管」という触れ込みのエンジンも
「逆組み」でクランクケースの中はサビサビ、ガリガリ。 → こちら
結局、クラッチ室のギヤ類だけでなく
カウンターシャフトギヤセット,ドライブ4thギヤも交換しました。 → こちら
サンデーメカニックや「2stに詳しくないオートバイ屋さん」は注意してくださいネ。
クランクシャフト右側のオイルシールは「鉄板部が内側,凹部が外側」ですよ! → こちら
なお、このオイルシールの点検は「クラッチカバーを外すだけ」でできます。
交換もクラッチハウジングとプライマリードライブギヤを外せばできます。→ こちら
中古入手の車体やエンジンで「ギヤオイルにガソリン臭や変質」があれば必ず点検しましょう。
放っておくと「クランクケース内がサビサビ・ガリガリ」になり、
最後にクラッチハウジングが壊れ、最悪はクランクケースが割れることになります。
b. 仕様は標準
エンジンはノーマルのSJ13。
PJ用のガスケットで圧縮比を上げていません。
イグナイターも標準。
レース用イグナイターの余分はあるのですが、
カプラー(写真の白いカプラー)を変更しなければ取り付けられないので標準のままに。
こちらのハーネスはR・S型。
一般に出回っているSJ13用のレースイグナイターはN型のハーネスカプラーに対応。
※SJ13のN型とR・S型の違い → こちら
チャンバーも標準。
もちろん、分離給油。
キャブレターとシリンダーへの2系統給油だからエンジンに優しいのです。
キャブレターへのオイルラインにチェックバルブ。 → こちら
おかげで、1年9カ月放置しても「白煙モウモウ」はなし。
テスト走行は、標準21インチにIRCのGP210。
フロントフォークにオイル漏れなし。
リヤも標準18インチにGP210。スプロケットは標準の46枚。
リヤサスは程度のよい物が付けてあります。
方針は「控え選手はいつでも出場できる状態に」。
3.「低~中回転域」が「よどむ」理由
キャブレター設定は
標準が「.MJ/195、PJ/35、JN/6BGK1-三段、AS/1.5」
しかし、これだと「低~中回転域」が「ボコつく」
私のSJ13設定は
レース用イグナイター使用で「.MJ/195、PJ/30、JN/6BGK1-三段、AS/1.5」。
なぜ、標準設定で「低~中回転」が「よどむ」のか?
その理由は
エアクリーナーの蓋は「開口が広いPJのもの」。
サイレンサーは「抜けのよいリメッサ」のサイレンサー。
つまり、エアクリーナーの蓋とサイレンサーで「入り」と「出」を大きくしたが、
エンジン・チャンバーが標準なので「燃焼」がこれに追いついていかない。
このアンバランスは「中~高回転域」や「高~max」ではまったく問題が生じないが、
「低~中回転域」では「淀み」となって現れるのです。
だから、「PJを下げ」や「ニードルのクリップを上げ」は仕方のないことなのです。
1回目の試乗では「.MJ/195、PJ/30、JN/6BGK1-三段、AS/1.5」。
2回目の試乗では「.MJ/195、PJ/30、JN/6BGK1-三段、AS/2.0」。
しかし、「低~中回転」のつながりが「鈍い」。
アクセル開度に「パワー」がついてこない。
「高回転域」になれば「シャープ」になるが、それまでがまどろっこしい。
3回目の試乗では「.MJ/195、PJ/30、JN/6BGK1-最上段/1段目、AS/1.5」。
気温は高いが湿度は低い。
これで、「低~中回転」の鈍さが消える。
アクセル開度にパワーが反応。不用意に開けるとフロントが持ち上がる。
標準イグナイターでも充分にパワーを堪能。
合計で 150 ㎞ 程度 試乗。
なお、このRMX③はクラッチのつながるところが「深い」。
「つながりが鈍い」・「滑る」のではなく、「つながるタイミングが遅い」。
これは標準レバーの形状が原因かもしれないが、クラッチデスクの磨耗も考えられる。
ただし、これを感じたのは1回目の試乗のときだけ。
2回目・3回目ではまったく気にならなくなったので「問題なし」かもしれませせん。
4. あなどれない「21インチ+18インチ」
こちらは正選手のRMX②。
・前後17インチ+ミシュランパイロットストリート(110/70+130/70)。
・前15枚×後44枚 → こちら
・レース用イグナイター+「 MJ/195、PJ/30、JN/6BGK1-二段目、AS/2.0」。
・W.E.Rステアリングダンパー → こちら と こちら
・ハンドルはトラッカースペシャル → こちら
・エンジン・チャンバー標準。分離給油。PJ蓋,リメッササイレンサー。
これで、「標準エンジンの公道アスファルト用」として「ほぼ完成」。
残っているのは「3レース/6時間毎点検」のPJエンジンへの換装だけ。
しかし、今回の試乗で「21インチ+18インチ」の良さも感じました。
「17×17+W.E.Rステアリングダンパー」では「傾けたところで止まっていてくれる」。
しかし「21×18」では「傾けたところから起き上がろうとする」。
この「起き上がろうとする力」があるので、安心して傾けられリヤに荷重をかけられる。
「17×17」よりもオーバーアクションが可能となる。
その結果、リヤ荷重を大きくでき、タイヤの肩にさらに乗れる。
もっとも、これは感覚的なもので、
「傾けたつもり」でも「傾いていない」かもしれません。
しかし、「21×17+オンロードタイヤ」は面白いかもしれません。
問題は、「片足バレリーナ」の足つき性。
しかし、これはオフロードバイクだから仕方がないのです。
子供が80のモトクロッサーに乗るときは
「ビールの箱でスタート」、「こけて停止」ですからネ。
Yahooオークションに「17インチモタードホイール」を出品していた出品者さんが、
『前後17インチにしたけれどまだ足がつかない!』
5. また冬眠か…。
次の「火入れ」は同じ控え選手の RMX④。
すでにタイヤをGP210に換えてスタンバイしています。
予定ではRMX③とRMX④の「火入れ」のあと、こちらを「バーハンドル化」。
しかし、FJのタイヤを「D205ラジアル」に換えたので、FJにも乗りたい。
多分、「NSRのストリートファイター化」はオフシーズンの冬に入ってから。
「火入れ」の終わったRMX③は「48枚の AFAN にブロックタイヤ」で冬眠準備。
やはり、RMXにはこのタイヤが似合います。
このまますぐにコースに持ち込めます。
しかし、もうダートは走れません。今は「コーナーやギャップ」を想い出すだけ。
だから手放せないのかもしれません。
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