●津市公契約条例は責任逃れ、「最低落札価格なし」で違法労働状態

津市公契約条例



津津市公契約条例 提出書類

※試行案件で受注者が提出する労働状況台帳。支払った賃金だけ記載。それを津市は鵜呑みするだけ。

★★★

3.審議会での答弁から見える津市の本音

審議会の議事録は公開されています。 → こちら
この議事録の中から今回受注した「1ポストの宿直・日直業務」に関するものについて抽出します。
下請がからむ場合や一人親方の取扱については省きます。

( 平成30年第一回審議会)

a.市長挨拶「最低賃金より高い労働報酬下限額で点数を稼ぐ」

〇市長の期待

公契約条例は「津市が発注者として受注者にこういうことを守っていただきたいといったことをお願いしていく」という条例です。

調達契約課の職員は自分たちの契約についてはプロフェッショナルですが、その相手方の企業さんがどういうふうに労使関係を結んでいるかということについてはほとんど素人です。
では、労使関係そのものを所管する部署はないかというと、津市においては商工観光部なんです。
そこに労政関係を担当している部局がありますが、その職員たちも、津市が契約を結ぶ相手方の労使関係というような個別の話にまでは入っていっていません。

従って、この条例を作るにあたって、我々が一番戸惑ったのは、どんなふうに企業さん方とそこで働く方々との関係があるのか、あるいは一人親方的な働き方をしている方々でどの部分が経営者でどの部分が労働者なのかといったところに入っていく部分については、慣れない分野であります。

そのような中で、津市入札等監視委員会のところでも色々とお話を聞いてまいりました。
それで、概ねこういう形で公契約条例を作っていこうという形は見えてきまして、労働報酬下限額という仕組みを作るかどうかという所まで来ましたが、そこからがわからない
市長コラムにも条例制定の経緯を書いておりますので、ご覧いただきたいと思います。

その労と使のところで労働報酬下限額を設定することについて、職員は、労使両方の意見の板挟みになってしまったわけです。
そのような中で、労働報酬下限額を決めてしまった自治体と、決めないとする自治体とに分かれているわけです。

この状況でどちらを選択するかという時に我々としては労働者の側も経営者の側もプラスになるような労働報酬下限額の作り方はないだろうかと、労働者のことも経営者のことも両方プラスになるように物事を裁いておられる方々はいないだろうかと、こういう投げかけを職員にしたわけです。
答えは社会保険労務士さんでした。

中略

そのような中で職員が御意見を伺ってきたところ、「社会保険労務士さんは、企業からお金をいただいて企業のために仕事をしながら、かつそこの企業さんで働く労働者さんの権利をどう実現するかという部分の両方を追及されているということがわかった」ということでした。
では、津市も労使双方がプラスになるような労働報酬下限額の仕組みを作れるのではないかと結論づけました

しかし、どういうふうに作っていけばいいかがわからない。
公契約条例は待ったなしなので、条例は作るけれども、実際に労働報酬下限額を設定してみたらどうなるのかをやりながら、もうひとつはどういう方々に適用するべきかを一緒になって考えながら物事を決めようではないかということにしました。

この条例は先送りしたのではないかと言われることもありますが、私たちとしては決して先送りしたのではなくて、労働報酬下限額の制度は作るんだということを宣言した上で労使ともに納得感のある形で作り上げるということを最高5年かけてやってみようじゃないかということを条例で宣言したという条例であります。

そこで、そのことも含めてですが審議会を設置して、労働報酬下限額を定めることについて審議をお願いしながら、その他にもこの条例の全体に関わることで、条例の施行状況であるとか、条例の目的を達成するための施策に関する事項、その他市長が必要と認める事項について諮問をしていくという形になります。

従いまして経済会からお二人、労働会からお二人、中立の機関からお二人としたのは決して審議会は労使がそれぞれ
の意見をぶつけ合うための場所ではなくて、一緒になってこの公契約条例を良いものにしていくということが、市長としての審議会設置の意図でございます。何卒、大変お世話になりますがよろしくお願い申し上げます。

〇要するに
・公契約条例は津市が発注者として受注者に「こういうことは守ってもらいたいとお願いする」もの。
・市役所の職員は「実際の労使関係・労働環境」についてよく知らない。
・労働報酬下限額を設定した公契約条例を作りたい。
・労働者も経営者もプラスになるような労働報酬下限額を作りたい。
・そのような労働報酬下限額について審議してほしい。


〇考察
・実際の労使関係や労働環境を知らない職員と「受注者にお願いするもの」と弱気な市長。
・「労使双方がプラスになる労働報酬下限額」などあるはずがない。
・「最低賃金より高い労働報酬下限額」を設定すれば違法労働状態や劣悪な労働環境はなくなるのか?
・「公契約における事業者間の競争激化、落札価格の下落により労働賃金や労働環境が悪くなることを防ぐ」という
   公契約条例の目的を忘れて「最低賃金より高い労働報酬下限額を設定したこと」で点数を稼ぎたいらしい。

※公契約条例を制定している自治体は35。そのうち賃金条項を定めているのが18、定めていないのが17。
   県内で公契約条例を制定しているのは津市と四日市市だけ。四日市市は賃金条項を定めていない。(議事録P6)

b.津市は受注者の関係法令違反を積極的に調べない

〇審議会で(議事録P7~P8)

委員
「津市公契約条例に関する特記仕様書には「公契約の解除等」という記載がありますが、
   条例に違反があれば罰則があるということでしょうか?」

津市
「事業者は、津市公契約条例に関する特記仕様書の内容、
   特定公契約についてはさらに労働環境の確保に係る誓約事項の内容も了知した上で入札等に参加しているので、
   関係法令や津市公契約条例に違反があった場合は、罰則の対象となります。」

委員
「受注者に関係法令違反があるかどうかの確認は行っていますか?」

津市
「労働者から違反があるという客観的な情報を提供された場合は
   調査や立入検査を行うことができることとしています。」

委員
「労働者は弱い立場にいるので、違反申告をしにくいのではありませんか?」

津市
「条例には違反申告をした労働者の不利益取扱を禁止しています。
労働者が違反申告をしにくいということは考えられますが、
津市は労働関係法令違反について判断できる立場にはないため、
客観的な事実が得られないと立ち入れません。」

委員
「労働者からの通報を待つよりも津市から積極的に調査を行った方が良いのではありませんか?
単に事業者が社会保険関係法令等を十分理解していないだけで悪質ではない場合もあるので、
津市が事業者を調査・指導することにより、事業者を育成することも必要です。
毎年いくつかの業者を抽出して調査する方法というのもあるのではないでしょうか?」

津市
「そういった調査については審議会の御意見もいただきながら検討していきたいと思います。」

〇考察
公契約条例の目的は受注者に労働関係法令を順守させること。
そのためには津市が積極的に動かなければなりません。

「条例で労働者の違反申告を認めているからその申告を待てばよい。」
「違反申告をした労働者の不利益取扱も禁止しているから、労働者は違反申告をしてくるはずだ。」
こんな「絵に描いた餅」で労働者が救われるとでも思っているのでしょうか?
「有給の “ゆ” を口にしたらクビになる」という現実の労使関係を本当に知らないのでしょうか?
それとも「知らないふりをしている」のでしょうか?

委員の言う通り「違反摘発ではなく調査・指導のため」にならやれるはずです。
公契約条例で受注者の労働関係法令順守を定めても、
それを「あなた任せ」にしていたのでは意味がありません。

津市は「審議会の御意見もいただきながら検討していきたい」と答えました。
さてさて、どうなるのでしょうか?
ただし「受注者にお願いする」という弱腰市長では結果は見えていますが。

(平成30年第二回審議会)

c.労働状況台帳の賃金が「実際に支払われたかどうか」は確認しない

津市が決めた労働報酬下限額が実際に支払われているかどうか確認するために
労働報酬下限額試行契約では受注者に「労働状況台帳」の提出を求めています。
※様式と記載例(様式1,様式2)
・様式1では「労働者氏名,労働報酬下限額,公契約分の労働時間,公契約分の支払賃金」を記載。
・様式2では様式1の重要部分だけ抽出したチェックシート。
・要するに「試行契約で津市が定めた労働報酬下限額を受注者が支払ったこと」を確かめるものです。
・提出回数2回は初回の賃金支払時に初回の分、最終の賃金支払時に残りの分。
・平成31年,令和2年,令和3年の書式がありますが、内容は変わっていません。
平成31年様式1平成31年様式2令和2年様式1令和2年様式2令和3年様式1令和3年様式2

この労働状況台帳について質疑がされました。(議事録P4~)

委員
「提出された労働状況台帳に記載された金額と実際に支払われた賃金が一致しているかどうかの確認を
   していく予定ですか?」

津市
「 発注者側が直ちにそこまでの確認を行うことは考えていません。
   賃金が労働報酬下限額を下回った場合、
   労働者は津市が設置する相談窓口へ申し出ることができる制度があります。」

〇考察
またまた出てきました「労働者の違反申告制度」。
そんなものが役に立つはずがない。
「受注者の提出した報告書は労働者の違反申告がないから信用できる。」
お人好しで世間に疎い津市。
いやいや、実情を知っていて知らぬふりをしているのかも。


続けて、提出回数についての質疑

委員
「 労働状況台帳は2回提出すれば良いのでしょうか?」

津市
「 毎月の提出となると事業者の負担が大変大きくなりますので、
   最初の賃金支払い時点と業務完了後の最終賃金支払い時点の2回を考えています。
   ただし、建設工事については下請業者分の台帳の提出も必要となってくるので
   提出時期や回数については今後の検討が必要かと思います。」

〇考察
・2回だろうと毎月だろうと「実際に支払われたことの確認」がなければ何の意味もありません。
・そもそも、「津市が定めた労働報酬下限額が支払われていれば公契約条例の目的が達せられる」と考えているのが
   間違いなのです。
   公契約条例の目的は
   「安売り競争の負担が労働者に押し付けられないように、受注者に労働法令を順守させること」。
   それには賃金だけでなく雇用・労災保険,健康保険,厚生年金の加入や有給休暇チェックしなければなりません。
・これらをチェックするためには給与ソフトの賃金台帳を提出させればよいじゃありませんか?
   ここには、雇用保険,健康保険,厚生年金の控除や有給休暇残り日数が記載されています。
   事業者は該当労働者の分をプリントアウトすれば済みまったく負担になりません。
   ついでに、、契約開始前に労働者の雇用保険資格者証,健康保険証,年金証書も提出させれば完璧でしょう。


〇その他

・設定した労働報酬下限額 → 時間当たり860円に設定
・労働報酬下限額試行案件について2件を試行案件として抽出
・受注者が今後提出する資料の様式及び提出時期について
① 初回の賃金支払い月の末日から7営業日以内に提出 → 労働状況台帳(初回)、アンケート(受注者等が回答)
② 最終の賃金支払い月の末日から7営業日以内に提出 → 労働状況台帳(2回目~最終分)、アンケート(受注者等及び労働者が回答)

〇平成30年度労働報酬下限額試行案件契約の基本情報

① 契約件名 平成30年度津市クリーンセンターくもずし尿処理施設点検・整備業務委託
・受注者 三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社中部支店
・業務内容 受入貯留設備及び汚泥脱水処理設備等の保守点検整備
・履行期間 契約締結日から平成31年3月31日まで
・契約方法 地方自治法施行令第167条の2第1項第2号による随意契約
・契約締結日 平成30年10月12日
・契約金額 121,500,000円(うち消費税及び地方消費税額9,000,000円)
・予定価格 121,683,600円(うち消費税及び地方消費税額9,013,600円)
落札率 約99.8%
※ 昨年度落札率 約99.3%
※昨年度契約金額 291,600,000円(税込)
※昨年度予定価格 293,652,000円(税込)

② 契約件名 平成30年度津市西部クリーンセンター2号炉焼却施設点検・整備業務委託
・受注者 荏原環境プラント株式会社中部支店
・業務内容 受入供給設備、燃焼設備、燃焼ガス冷却設備等焼却施設各機器の点検及び整備
・履行期間 契約締結日から平成31年3月31日まで
・契約方法 地方自治法施行令第167条の2第1項第2号による随意契約
・契約締結日 平成30年10月18日
・契約金額 138,240,000円(うち消費税及び地方消費税額10,240,000円)
・予定価格 139,320,000円(うち消費税及び地方消費税額10,320,000円)
落札率 約99.2%
※昨年度落札率 約99.3%
※昨年度契約金額 154,440,000円(税込)
※昨年度予定価格 155,469,240円(税込)

(平成30年第三回審議会)

d.「受注者の労働関係法令違反」はアンタッチャブル

委員から「労働報酬下限額の審議だけでなく受注者等に対し労働状況を確保するよう周知・徹底することもも必要」
という意見。これに対し津市はどう答えたか?(議事録P9~)

委員
「 労働報酬下限額を議論するために審議会を開催していますが、
   それだけではなく受注者等に対し、労働状況を確保するよう周知・徹底を行っていただきたいと思います。
   ある程度の規模の会社は労働環境の確保はされていることかと思いますが、
   すべての事業者が労働環境の確保ができるよう、発注者として指導するのが公契約条例の趣旨だと思います。」

津市
「委員の御意見のとおり、公契約というと労働報酬下限額が注目されがちですが、
   本来は労働者の労働環境を良くしていこうというものであります。
   例えば、賃金が比較的安くても福利厚生が充実していて、労働者が労働環境に満足している場合もある し、
   逆に賃金が高くても業務内容が過酷で労働環境に満足していない場合も考えられます。
   労働報酬下限額だけではなく、労働者がより良い環境で働いてもらい、事業者も競争した上で受注し適正な利益を
   確保していただくと、それが結果として地域が潤うということにつながると考えています。」

審議会の最後に議長から「何かありますか?」と問われ、津市が追加説明(議事録P11~)

津市
「先ほど委員から労働報酬下限額の議論だけではなく、適切な労働環境の確保も必要との意見がありました。
   しかし、公契約条例では労働者から「賃金が支払われていない」等の労働環境についての申出を津市に行えます。
   その申出内容が法令に違反するようだと法令を所管する関係機関に通報するといった制度があります。
   最低賃金を下回る賃金が支払われているという情報が津市に寄せられた場合、津市は三重労働局に通報しますが、
   この度、三重労働局から通報について協定を結んで制度化していこうという提案がありました。
   この提案は大変有意義な提案であると考えていますので、
   津市としても協定を結ぶことについて、前向きに検討していきたいと考えております。
   協議内容等について具体的に決まり次第改めて報告させていただきます。

委員
「労働者からの通報ということでしたが、津市から事業者に対し、指導することはありますか?」

津市
「公契約を締結する際には、
   関係法令を遵守すること等が記載された誓約書を契約書内に綴じ込んで契約していますので、
   受注者は当然関係法令を遵守を約束した上で契約しているものです。
   しかし、万が一賃金の未払い等の法令違反があれば、労働者は津市に対して申出をすることができますので、
   申出があれば津市は関係機関へ通報するという制度があります。

委員
「受注者の中には雇用保険や社会保険の未加入の事業者もありますので、
   今後そういった事業者への指導も必要なのかと思います。」

津市
「…」

会長が「ほかに事務局から何かありますか。」と議論を打ち切り、次回の開催日を決めて閉会

〇考察
・委員の言う「労働環境の確保」とは「労働関係法令の順守」ということです。
   要は「津市の定めた労働報酬下限額の支払だけではなく、
   それ以前に労働関係法令を順守させることが必要」と言っているのです。
   津市はそれを「労働環境の確保=福利厚生」だとして答弁しています。
   「お人好し・世間知らず」なのか、「議論のすり替え」なのか。

・毎回の答弁で分かるように、津市は受注者の労働関係法令違反について積極的に動こうとしません。
   委員から「労働者からの通報だけでなく津市が受注者を指導しないのか?」については
   「関係法令に反しないという誓約書を交わしている」,「労働者からの違反申告制度がある」,
   「違反申告があれば関係機関へ通報できる」,
   「労働局から通報の制度化について提案があった」ので期待できる。
   このように答弁はいつも「他人任せ」。
  
・もしかして…、
   「受注者が労働関係法令違反をしていること」は充分に知っている。
   「労働環境を改善するためには受注者の労働関係法令違反を止めさせることが必要」ということも分かっている。

   しかし、津市が受注者の労働関係法令違反をチェックすればどんどん出てくる。
   それが問題となって受注者が労働関係法令を守りだしたら入札価格がどんどん上がっていく。
   それでは「最低落札価格なし」で「安売り競争」をさせることができない。

   だから、「受注者の労働法令違反」に対して積極的には動かない。
   ひたすら「立ち入る権限がない」,「誓約書をとっている」,「労働者の違反申告制度がある」で逃げきろう。
   津市にとって「受注者の労働関係法令違反」はアンタッチャブル。

   だって、最低落札設定せず、安売り競争をさせて違法労働環境の元凶を造り出している津市が、
   自ら「越後屋さん」を取り締まれませんからネェ。
   このように思えて仕方がないのですが…。


あっ!
津市の設定する予定価格(落札上限価格)自体が違法労働を前提にするものでしたね。
予定価格を公表しなければならないときは「一気に20万円アップ」でしたね。
だから、「受注者の法令違反にはアンタッチャブル」?
そう思われても仕方がないでしょう。→ こちら

(平成30年第四回審議会)

審議内容は、
・一人親方を試行の労働者に入れるかどうか
・労働状況台帳の提出月
・元請け・下請関係の労働状況台帳の取扱について
業務委託に関連する審議なし。

(令和元年第一回審議会)

●平成30年度労働報酬下限額試行案件2件についての報告
①平成30年度津市クリーンセンターくもずし尿処理施設点検・整備業務委託
・労働状況台帳により労働報酬下限額以上の賃金が支払われていることを確認
②平成30年度津市西部クリーンセンター2号炉焼却施設点検・整備業務委託
・受注者が労働状況台帳の作成に時間を要しているためいまだに未提出。結果確認できず。

その他、労働報酬下限額の決め方や労働状況台帳の事務処理等。

●令和元年度労働報酬下限額試行案件の基本情報

①契約件名 津市芸濃庁舎日常清掃等管理業務委託
・受注者 有限会社三重伸明(津市野田21‐638)
・業務内容 日常的に芸濃庁舎内の床面、トイレ等の清掃を実施
・履行期間 契約締結日から令和2年3月31日まで
・契約方法 地方自治法施行令第167条第1号による指名競争入札
入札者 21
・契約締結日 平成31年4月25日
・契約金額 4,896,000円(うち消費税及び地方消費税額408,000円)
・予定価格 4,945,090円(うち消費税及び地方消費税額412,090円)
落札率 約99.0% / 昨年度落札率 約97.0%
※昨年度契約金額 4,431,240円(税込)
※昨年度予定価格 4,568,400円(税込)

※落札率=落札価格÷予定価格×100
※津市の指名競争入札は市内業者全部指名。
※物品購入で落札率が高くなるのは頷けるけど、業務委託で落札率が99%!
※さらに、次の年度(令和2年度)では同じ業者が落札して落札率は100%!

②契約件名 令和元年度津市安芸・津衛生センターし尿処理施設点検整備業務委託
・受注者 クボタ環境サービス株式会社中部支店(名古屋市中村区名駅3丁目22番8号)
・業務内容 安芸・津衛生センターのし尿処理設備の点検及び整備
・履行期間 令和元年7月12日(契約締結日)から令和2年3月27日まで
・契約金額 99,990,000円(うち消費税及び地方消費税額9,090,000円)
・予定価格 100,090,100円(うち消費税及び地方消費税額9,099,100円)
落札率 約99.9%
入札者 17

③契約件名 令和元年度津市西部クリーンセンター2号炉焼却施設点検整備業務委託
・ 受注者 荏原環境プラント株式会社中部支店(名古屋市中区新栄2丁目1番9号)
・ 業務内容 西部クリーンセンター2号炉の焼却設備の点検及び整備
・ 履行期間 令和元年10月28日(契約締結日)から令和2年3月31日まで
・ 契約金額 133,100,000円(うち消費税及び地方消費税額12,100,000円)
・予定価格 133,208,900円(うち消費税及び地方消費税額12,109,900円)
・ 落札率 約99.9%
・入札者 1

※②と③は次の令和元年第二回審議会で報告されたもの。
※①,②,③の入札者数は令和2年第一回審議会で報告されたもの。(令和2年第一回審議会議事録P5)
※②,③の予定価格と落札率は令和2年第一回審議会での資料第一家対
※指名競争入札かどうか不明。落札率の記載もなし。

(令和元年第二回審議会)

・前回提出されていなかった平成30年度試行案件②について、労働報酬下限額以上の支払があったことを確認。
・令和元年度試行案件(上記①,②,③)の労働状況台帳の第一回提出分について労働報酬下限額以上の支払を確認。

後は、下請の労働状況台帳の提出について、回数,元請けの関与,個人事業者や一人親方の取扱など。

〇こんな質疑も(P7) ※下請が絡む場合です。

委員
「今回の試行案件で現場作業に当たった労働者全員の労働状況台帳が提出されていたか確認していますか?」

津市
「受注者から提出された労働状況台帳で確認しているだけです。」

委員
「提出された労働状況台帳については、労働報酬下限額を下回っていないか等の確認をするものの、
   労働者の数や支払われた報酬額については、虚偽の記載はないものと判断されているということですね。」

津市
「そのとおりです。
   また、施工体系図に記載があるものの労働状況台帳の提出がない業者については、
   その業者が提出対象であるかどうかは確認をしています。」

委員
「今回の労働状況台帳提出対象業者の中には、公契約条例の主旨は単に最低賃金以上の報酬を支払えばいい
   と認識している業者もいると聞いたことがあります。」

委員
「元請業者が提出を依頼しても、労働状況台帳を提出してくれない業者がいた場合、
   封筒に入れた状態で提出を依頼することになるかもしれませんが、
   それでさえ拒否された場合、元請業者が下請業者に対してそこまで強く指導できるのかという問題があります。
   非常に難しい部分があるのではないかと思います。
   今後については、そういった未提出業者に対してペナルティを課すことも検討する必要がありますね。」

委員
「最近の建設業界は売り手市場ということもあり、雇用主側より労働者側の方が強い立場になることもあります。
   人件費も徐々に上がってきている最近の状況では、労働報酬下限額が三重県の最低賃金の120%であったとして
   も、それを下回る業者は存在しないのではないかと思います。
   また、下請業者が労働報酬下限額を下回った場合、ペナルティが元請業者にまで及ぶとなると
   大変なことになると思いますので、なるべく簡単な方法でやっていかないといけないと思います。
   下請業者に対する労働状況台帳の提出依頼については、現場の監督員に任せるのではなく、
   経営者自らが下請業者に説明して依頼することになると思いますので、
   あまりにも複雑な方法だと、経営者側が大変です。
   できるだけ事業者の負担とならない方法を検討していただくようお願いします。」

〇考察
どの発言をどの委員がしたのか分からないので「流れ」がハッキリしないけど、
話がスリ変わっているように思えます。
ある委員の「労働状況台帳提出対象業者の中には、公契約条例の主旨は単に最低賃金以上の報酬を支払えばいいと認識している業者もいるのではないか」の発言意図は、
今までの審議会の発言から考えると
「最低賃金以上の労働報酬下限額を支払えばよい。厚生年金・健康保険・有給休暇などの労働関係法令順守は関係ないと思っている業者がいるのではないか?」ということ。
それが次の委員の発言で、「下請に労働状況台帳をどのようにして提出させるか」の問題に変わっています。

他人の発言をしっかり聞いていないのか、他人の発言意図を理解する能力がないのか、
それとも「事業者の労働関係法令違反はアンタッチャブル」の津市側の委員なのか?

事業者が提出した「これだけの賃金を支払いました」という報告書を鵜呑みにしていたのでは違反など起こらない。
津市に「公契約条例が守られていることをしっかりと確認した」という言い訳を与えるだけ。
こういうところが「公契約条例は底の抜けたバケツ」。

しかし、問題は「津市の定めた労働報酬下限額が支払われること」ではありません。
重要なのは「受注者に労働関係法令を守らせること」なのです。
審議会でそのような質問が出ると、話をすり替える。
そして最後には「誓約書がある,労働者からの違反申告がある」で逃げる。
お粗末な審議会ですね。

e.審議会ここまでの内容

・試行案件で最低賃金より高い労働報酬下限額をいくらにするか
・労働報酬下限額を支払ったかどうかは受注者の提出する労働状況台帳だけでチェックする。
・労働状況台帳にはその労働者に支払った賃金の単価,労働時間,支払総額だけを書く。
・受注者の労働関係法令違反について津市は積極的に調査しない。
・受注者に対しては誓約書、労働者に対しては違反申告と違反申告による不利益取扱の禁止があるから充分。
・試行案件すべてについて、労働報酬下限額以上が支払われていることを確認した。
・受注者の提出する労働状況台帳の提出回数,提出時期については改善の余地がある。
・労働報酬下限額をいくらにするかも検討の余地がある。

要するに
「津市が定める労働報酬下限額が支払われていれば公契約条例の目的が達せられる」との前提。
しかも、「支払われたかどうか」のチェックは受注者の提出する「賃金支払報告」を鵜呑みにする。
そして、毎回「試行案件すべてについて労働報酬下限額以上の賃金が支払われていました」という報告。
賃金支払報告(労働状況台帳)の提出回数を何回にしようが、提出時期をいつにしようが無意味です。
「市長の集めた委員と津市の職員が不毛な審議を繰り返している」と思えます。
まあ、この審議会は市長の諮問機関だからこの程度でしょう。

「落札価格の下落により労働賃金や労働環境が悪くなることを防ぐ」という公契約条例の目的を達するためには
「受注者の労働法令違反をなくする」こと。
これを見て見ぬふりをする津市に任せていたのでは公契約条例は「底の抜けたバケツ」。
公契約条例を意味あるものにするのは議会なのです。
市議会議員諸兄!目を覚ましてくださいネ。

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