●養子縁組届➁ 演習

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ここでは、総仕上げをします。
答えを見る前に実際に養子縁組届の各欄を埋めてください。

4.演習問題

演習問題➀ 配偶者の嫡出子を養子にする場合

●問題

・田中花子と山田太郎が婚姻 → 「山田太郎(筆頭者),山田花子(妻)」

・山田一郎が生まれる(嫡出子) →「山田太郎(筆頭者),山田花子(妻,山田一郎(子)」

・山田花子と山田太郎が離婚

・山田花子は田中花子となり新戸籍を作る → 「田中花子(筆頭者)」
・山田太郎の戸籍 → 「山田太郎(筆頭者),山田花子(妻),山田一郎(子・未成年者)」
・山田一郎の親権者は田中花子、山田一郎は田中花子についてきた。

・田中花子 → 住所A,本籍地A/筆頭者・田中花子
・山田太郎 → 住所B,本籍地B/筆頭者・山田太郎
・山田一郎 → 住所A(母親についてきた),本籍B/筆頭者・山田太郎

・田中花子が川上誠と婚姻 → 田中花子は川上を名乗り川上誠の籍に入る。

・川上花子 → 住所C(世帯主・川上誠),本籍地D「川上誠(筆頭者),川上花子(妻)」
・山田一郎 → 住所C(世帯主・川上誠),母親についてきた。
   本籍地B「山田太郎(筆頭者),山田一郎(子)」,山田一郎は15歳未満

・川上誠が山田一郎を養子にする場合の届出書を作成せよ。
・各人の生年月日と証人欄は空欄にする。
・必要な書類は何か?家庭裁判所の許可は必要か?。

●答え

〇左頁/養子になる人の欄

・氏名 → 山田一郎
・住所 → C / 世帯主・川上誠
・本籍 → B / 筆頭者・山田太郎
・父母の氏名 → 父 / 山田太郎,母 / 川上花子(▲戸籍は山田花子 → 田中花子 → 川上花子に代わっているばず)
・父母との続柄 → 長男
・入籍する戸籍 → 「養親の現在の戸籍に入る」にレ、D、筆頭者 / 川上誠
・監護をすべき者の有無
   → 「届出人意外に養子になる人の監護をすべき」にレ、父にレ,養父にレ
・届出人欄 → 空欄(養子になる山田一郎は15歳未満だから親権者の川上花子が代諾)。

〇左頁下/届出人欄

・資格 → 「親権者・母」にレ
・住所 → C
・本籍 → D
・署名押印 → 川上花子・印
・届出人(川上花子)の捨て印

〇右頁/養親になる人の欄

・氏名 → 養父 / 川上誠
・住所 → C、世帯主/川上誠
・本籍 → D,筆頭者/川上誠
・その他 → 配偶者の嫡出子を養子とする縁組、この縁組に同意します。養親/川上誠の妻・川上花子
・新しい本籍 → 空欄
・届出人 → 養父/川上誠・印
・届出人(川上誠)の捨て印

〇右頁下/証人欄
・18歳以上の者二名の署名・押印と捨て印

〇家庭裁判所の許可
・不要

〇ポイント
・配偶者の嫡出子で未成年・15歳未満の者を養子にする場合。

・配偶者の嫡出子を養子を取る場合は単独縁組ができる(民法795条)
・配偶者のある者が養子を取る場合は配偶者の同意が必要(民法796条)
・養子が15際未満のときは法定代理人が代諾する(民法797条)
・養子が未成年であっても自己または配偶者の直系卑属の場合は裁判所の許可不要(民法798条)

・条文に馴れるために,条粉を読んでください。

演習2 妻となる者の父母と婚姻前に養子縁組を行う場合

●問題

・養子 : 田中太郎
   → 住所A(世帯主・田中末男),本籍B「田中末男(筆頭者),田中初枝(妻),田中太郎(子)」
・養親 : 川上誠と川上照子
   → 住所C(世帯主・川上誠),本籍C「川上誠(筆頭者),川上照子(妻),川上花子(子)」

・まず、川上誠と川上照子が田中太郎を養子にする場合。

〇ポイント
・単なる成年者を夫婦が養子にする場合。
・田中太郎には配偶者がいないので、養親の戸籍に入る。氏も変わる。

もっと複雑な場合を勉強してきたのにテストではこんな簡単な問題!
テストなんてそんなものです。

「テストで合格点を取る」より「そのために、勉強すること」が大切なのです。

●答え

〇左頁/養子になる人の欄

・氏名 → 田中太郎
・住所 → A,世帯主/田中末男
・本籍 → B,筆頭者/田中末男
・父母の氏名 → 父 / 田中末男,母 /   初枝
   (父と母が婚姻しているときは母の氏を書かない
    母/田中初枝 と書くと、田中末男と田中初枝が離婚していることになる。)
・父母との続柄 → 長男
・入籍する戸籍 → 「養親の現在の戸籍に入る」にレ、C、筆頭者 / 川上誠
・監護をすべき者の有無(15歳未満の場合) → 空欄
・届出人 → 田中太郎・印
・届出人(田中太郎)の捨て印

〇右頁下/届出人欄
・空欄

〇左頁/養親になる人の欄

・氏名 → 養父 / 川上誠、養母/川上照子
・住所 → C、世帯主/川上誠
・本籍 → C,筆頭者/川上誠
・その他 →空欄(川上誠と川上照子の共同縁組だから配偶者の同意は不要 → 民法796条)
・新しい本籍欄 → 空欄
・届出人 → 養父/川上誠・印、養母/川上照子・印
・届出人(川上誠と川上照子)の捨て印

〇左頁下/証人欄

・18歳以上の者二名の署名・押印と捨て印

演習3 婿養子になる者を娘と婚姻させてから養子にする

●問題

・婿養子になる者/田中太郎
   → 住所A(世帯主・田中末男),本籍A「田中末男(筆頭者),田中初枝(妻),田中太郎(子)」
・養親 : 川上誠と川上照子
   → 住所B(世帯主・川上誠),本籍B「川上誠(筆頭者),川上照子(妻),川上雪子(子)」

・まず、娘の川上雪子と田中太郎を婚姻させた。

・田中太郎が戸籍筆頭者となった。
   → 住所D(世帯主・田中太郎),本籍D,「田中太郎(筆頭者)、田中花子(妻)」

・次に、川上誠と川上照子が田中太郎を養子にする。

・田中太郎の新しい本籍は元の本籍と同じ地番のDとする。

●答え

〇左頁/養子になる人の欄

・氏名 → 田中太郎
・住所 → D、世帯主/田中太郎
・本籍 → D,筆頭者/田中太郎
・父母の氏名 → 父 / 田中末男,母 /   初枝
・父母との続柄 → 長男
・入籍する戸籍 → 「養子夫婦で新しい戸籍を作る」にレ、D、筆頭者/川上太郎
・監護をすべき者の有無(15歳未満の場合) → 空欄
・届出人 → 田中太郎・印
・届出人(田中太郎)の捨て印

〇左頁下/届出人欄
・空欄

〇右頁/養親になる人の欄

・氏名 → 養父/川上誠、養母/川上照子
・住所 → B、世帯主/川上誠
・本籍 → B,筆頭者/川上誠
・その他 → この縁組に同意します。養子/田中太郎の妻・田中花子
・新しい戸籍 → 空欄
・届出人 → 養父/川上誠・印、養母/川上照子・印
・届出人(川上誠と川上照子)の捨て印

〇証人欄
・18歳以上の者二名の署名・押印と捨て印

〇ポイント

・配偶者のある者(田中太郎)を配偶者のある者(川上誠,川上照子)が養子にする場合。

・田中太郎は「婚姻の際に氏を改めなかった者」 → 氏が川上になる → 川上太郎(民法810条)
・田中太郎の妻田中花子も川上花子となる。(民法750条)
・川上太郎と川上花子で新戸籍を作る(戸籍法20条)。

・もう一度復習したい場合は → こちらこちら

演習4 夫婦の一方 (戸籍筆頭者の方) を養子にする

●問題

・川上誠 → 住所A,世帯主/川上誠、本籍A,「川上誠(筆頭者),川上照子(妻),川上一郎(子)」
・田中花子 → 住所B,世帯主/田中太郎、本籍C,筆頭者/田中花子
「田中花子(筆頭者,父・田中末男,母・初枝),田中太郎(夫),田中一郎(子)」

・川上誠が田中花子を養子にする。

●答え

・田中花子は「婚姻によって氏を改めた者」でないから養親の氏を名乗る(民法810条) → 川上花子になる。
・田中花子の夫田中太郎は「婚姻の際に妻の氏を称することにした」のだから、
   妻の氏が変われば自分の氏も変わる。(民法750条) → 川上太郎になる。

・田中花子には配偶者がいるから、養親の戸籍には入らず配偶者と新戸籍をつくる。(戸籍法20条)
 → 川上花子と川上太郎て新戸籍をつくる。
 → 新戸籍は元の戸籍と同じ地番のCとする。

・田中花子の配偶者・田中太郎の同意が必要(民法796条)。

〇左頁/養子になる人の欄 (養女欄)

・氏名 → 田中花子
・住所 → B,世帯主/田中太郎
・本籍 → C,筆頭者・田中花子
・父母の氏名 → 父 / 田中末男,母 /   初枝
・父母との続柄 → 長女
・入籍する戸籍 → 「養子夫婦で新しい戸籍をつくる」にレ、本籍C,筆頭者/川上花子
・監護をすべき者の有無(15歳未満の場合) → 空欄
・届出人 → 田中花子・印
・届出人(田中花子)の捨て印

〇左頁下/届出人欄
・空欄

〇右頁/養親になる人の欄

・氏名 → 養父/川上誠
・住所 → A、世帯主/川上誠
・本籍 → A,筆頭者/川上誠
・その他
 → この縁組に同意する。養子になる人田中花子の夫  田中太郎・印、養父になる人川上誠の妻・川上照子・印
   田中太郎は妻・田中花子の新戸籍に入籍する。住所も妻と同じ。
・新しい戸籍欄 → 空欄
・届出人 → 養父/川上誠・印
・届出人(川上誠)の捨て印

〇証人欄
・18歳以上の者二名の署名・押印と捨て印

・復習をするのなら → こちらこちら

演習5 夫婦の一方 (戸籍筆頭者でない方) を養子にする

●問題

・田中花子は父の戸籍に入っている → 「田中末男(筆頭者)、田中初枝(妻),田中花子(子)」

・田中花子と山田太郎が婚姻 → 田中花子は山田氏を名乗る。
   → 住所A,世帯主/山田太郎
   → 本籍A,「山田太郎(筆頭者)、山田花子(妻)」

・川上誠が山田花子を養子にする。

・川上誠 → 住所C,世帯主/川上誠)、本籍C,「川上誠(筆頭者)」

●答え

〇左頁/養子になる人の欄 (養女欄)

・氏名 → 山田花子
・住所 → A,世帯主/山田太郎
・本籍 → A,筆頭者/山田太郎
・父母の氏名 → 父 / 田中末男,母 /   初枝
・父母との続柄 → 長女
・入籍する戸籍 → 「養子の戸籍に変動はない」にレ
※「本籍A,筆頭者 / 山田太郎」は上の本籍欄に書いてあるので、ここでは略してよいだろうが書いても問題なし。
・監護をすべき者の有無(15歳未満の場合) → 空欄
・届出人 → 山田花子・印
・届出人(山田花子)の捨て印

〇左頁下/届出人欄
・空欄

〇右頁/養親になる人の欄

・氏名 → 養父 / 川上誠
・住所 → C、世帯主/川上誠
・本籍 → C,筆頭者/川上誠
・その他 → この縁組に同意する。養子になる山田花子の夫  山田太郎・印
・新しい本籍 → 空欄
・届出人 → 養父/川上誠・印
・届出人(川上誠)の捨て印

〇証人欄
・18歳以上の者二名の署名・押印と捨て印

〇ポイント

・山田花子は「婚姻によって氏をあらためた者」だから
   山田太郎と婚姻中は養親の氏(川上)にならない(民法810条)
・山田花子の戸籍はそのまま。(戸籍法に規定なし)
・山田花子の夫/山田太郎の同意が必要(民法796条 )

・復習をするのなら → こちらこちら

参考文献

〇 民法Ⅳ 補訂版 親族・相続
・内藤貴著,東京大学出版会発行)

〇 最新(第2版) 戸籍の知識123問
・福岡法務局 戸籍実務研究会

〇 戸籍のことならこの1冊
 ・石原豊昭他著 自由国民社発行

・戸籍簿の実際例が表示されているのでよく分かる。
  実際にどこにどのように書かれ、どこがどのように消されるのかを知っていると
  届出受理に血が通ってくる。但し、この本を読むのは最後のまとめに。

選任のための法律知識・

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