●電気知識ゼロ のする PGMⅢ 修理

pgm3電子部品交換
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4.基板裏側の封止剤除去

a.作業

作業は基板表側の封止剤除去と同じです。

・基板をIPAに漬けて、封止剤を削りやすくする。
・彫刻刀の丸刀で封止剤を削り取る。
・IPAに漬けて封止剤を軟らかくして竹串でほじり取る。

これが丸刀で削った状態。
基板のハンダ盛りが見えてきています。

丸刀は下方向に削らず、上方向に削る。
部分的に封止剤が硬くなっている所は、何が埋もれているか分からないので強引に削らない。

ここから先は基板面を傷付ける危険があるので「金物道具」は禁止。
割り箸を平たく尖らせたものや竹串を使います。

b.要注意!

「基板裏側にあるのはハンダ盛りだけで電子部品は付いていないから気楽にやりましょう。」

しかし、注意!注意!

基板裏側にも抵抗がびっしりと付いています。
いわゆる両面基板です。 → 参考サイト

くっついている抵抗は「チップ抵抗」。
足がなく基板にハンダ付けされているだけです。
これを剥がしてしまっては大変なことになります。

チップ抵抗の間に詰まった封止剤が取り付けを補強しています。
この部分については封止剤をきれいに除去してはいけないのです。
黒いチップ抵抗を「残った封止剤」と間違えて竹串でこじってはいけません。

c.封止剤を除去する目的と範囲

封止剤を除去する目的は「部品を取り外して、新しい部品を取り付ける」こと。

だから、取り外す部品のある場所以外の封止剤を除去する必要はないのです。

こちらが「交換部品の足」

・b,c,d : 点火トラブル
・e : 壊れることが多いフィルムコンデンサ
・f : 交換しておいてもよいトランジスタ
・g,h : RCバルブトラブル
・i,j,k,l,m : 交換しておいた方がよい電解コンデンサ

はマイナス極。電解コンデンサは極性あり。フィルムコンデンサと抵抗は極性なし。
※電解コンデンサは足の長い方がプラス。〇印の帯がある方がマイナス。基板の白色がマイナス。
※シリコントランジスタは型番表記面を見て左からE/エミッタ,C/コレクタ,B/ベース。
   取付は型番表記面を取り付けてあったものと同じにする。

部品取外し取り付けにはこの付近の封止剤を除去すれば済みます。
それ以外の部分の封止剤を除去しても無意味なだけでなく、
埋もれている部品を傷つけたり取り付け補強を弱くしたりすることになるだけです。
さらに、除去した部分は再度封止しなければならなくなります。

基板裏側の封止剤を除去しなければならないのは次の「黄色線で囲った部分」です。

※寸法は必要最低限のもの。一応の目安です。
※丸刀で削る前にマーキングしておきましょう。
※垂直に掘り下げることはできません。斜めになるので5~10㎜外側から掘り始めてください。

こちらは表側の除去範囲です。
部品をきれいにむき出しにした方が「ホームページ映え」はしますが、
無駄な「除去労力,電子部品の損傷の危険,再度の封止労力と封止剤」が必要になります。

なお、部品の根元まできれいに封止剤を除去する必要はありません。
部品を外した後で簡単にきれいにできます。

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