・RMX②その後2021/回転不調②

選任のための法律知識・



3.エンジン換装

rmx回転不調

右が今までのエンジン⑤-4。
左が換装するエンジン②-4 → こちら
・2019.01.17.腰下OH。ベアリング,オイルシール新。
・クラッチはPJかRJ用 → こちら

rmx回転不調

ドリブンプレートはアルミではなくスチールです。
ドライブプレートがすぐに減りそうです。

a.今までのエンジンで気付いたこと。

●排出したギヤオイル

rmx回転不調

このオイルはオドメーター27206㎞で新しく入れたもの。 → こちら
現在のオドメーターは27734㎞。
走行距離=(27734-27206)×17/21≒427㎞
400㎞走ったらこんなに黒くなるのでしょうか?
ただし、これは今に始まったことではありません。 → こちらに詳しく

〇排出オイル状態
・もとの緑色なし。
・ガソリン臭はかすかに
・粘度は充分。

〇排出量
・650㏄
・注入量はビーカーで測って725㏄。
・排出はエンジンの暖気なし。
・だから、この排出量で問題はないでしょう。

●ドライブシャフト溝(スプライン)の削れ

このエンジンはOH後の走行が6000㎞未満です。

rmxシャフトドライブ削れ

しかし、ドライブシャフトのスプロケット取り付け溝(スプライン)はこの状態。
山の台形がとんがった三角形になっています。

rmxドライブシャフトスプライン削れ

スプロケットの方もしっかりと尖り三角形。
このスプロケットをはめると、円周方向に30度くらいガタつきます。
「スプロケットの歯は痩せていないから大丈夫」と安心していてはいけません。

rmxシャフトドライブ削れ

こちらは新しく載せるエンジン②-4のドライブシャフト溝。
山はしっかりと台形になっています。
もっとも、溝のしっかりとしたスプロケットをはめても10度くらいのガタがあります。

このエンジン②-4のドライブシャフトスプラインも同じように削れていた(こちら)ので、
ドライブシャフトを交換しました。 → こちら

「7000rpmが気持ちいい、8000rpm以上に回るぞ!」
などと、喜んで加速していると「尖り山」になるのです。
その度に、クランクケースを割ってギヤをばらしてシャフト交換。

エンジンは中古ですから新車時からの走行距離は分かりません。
しかし、OHするときに問題がなかったスプラインが6000㎞程度で「尖り山」になったのです。
それを考えると、2~3万㎞毎の交換でしょう。

「まあ、それだけ高性能なのだから仕方がないネ…。シャフト交換すればいいだけだから…。」

残念ながらシャフト交換はできません。
もう部品がないのです。

SJ13のドライブシャフトは №24131-05D01
SJ14のドライブシャフトは № 24131-05D10
どちらも「廃番・在庫なし」です。

rmxドライブシャフトスプライン削れ

幸いにドライブギヤの中古ストック(1.5万㎞走行だとか)がありました。
これでエンジン⑤-4は延命できます。

rmxドライブシャフトスプライン削れ

しかし、山は回転方向側が減っています。
延命期間は6000㎞程度でしょう。

手元にある完全エンジンは、
このエンジンのシャフトを交換すればスペアーエンジンが2機、スペアー車両搭載のエンジンが2機。
今回載せたエンジンを含めると全部で5機。
6000㎞でスプラインが尖り山になって「終わり」なら、
残りは6000㎞×5=30000㎞。

結局、RMXを楽しめるのはあと3万㎞。
精一杯楽しんでRMXを降りればいいか…。
しかし、一台は完全な状態で残しておきたいものですね。

b.今回のエンジンで気付いたこと

●排気バルブ組立イニシャル

今回載せるのはエンジン②-4。
クランクホイールにバランサーの付いたR・S型です。
N型とR・S型では排気バルブの組立イニシャルが違います。

sj13排気バルブ組み立てイニシャル

「排気バルブ組み立てイニシャル」とはこの部分(排気バルブキャップ)をどれだけ回して固定するか。
N型では1/2回転、R・S型では1回転。

sj13排気バルブ組み立てイニシャル

排気バルブの両側にはコイルバネが入っています。

sj13排気バルブ組み立てイニシャル

右側(前から見て左側)のバネは排気バルブガバナによって押し上げられたバルブを押し下げます。
ただし、このバネの力だけではバルブを元の位置に完全に戻すことはできません。
このバネだけではバルブは自重で元の位置に戻ります。
※排気バルブガバナとアクチュエーターの働き → こちら

sj13排気バルブ組み立てイニシャル

バルブを元の位置に押し下げるのは左側にあるコイルバネです。
このバネを右に締め込めば締め込むほどバルブをしっかりと元の位置に押し下げます。

この締め込み量が「組立イニシャル」です。
N型の締め込み量は1/2、R・S型の締め込み量は1.0。
N型よりR・S型の方が排気バルブをしっかりと元の位置に押し下げていることになります。

●組立イニシャルの違いは何に影響するか

〇排気バルブの働き

2サイクルエンジンでは
点火・爆発してピストンが下がるときに「燃焼ガスの排気」と「混合気の吸入」が行われます。

ピストンが排気ボートを過ぎれば燃焼ガスが排気ボートから出ていきますが、
下がってくるピストンに押されてクランク室の混合気が吸入ポートからシリンダーの中に入ってきます。
この混合気は燃焼ガスを押し出しますが、その一部は燃焼ガスと一緒に排気されてしまいます。
混合気が排気されてしまえばそれだけパワーが落ちます。

そこで、チャンバーの形を工夫して
「排気時に生じる圧力がチャンバーで押し返され排気ポートに圧力をかける」ようにしています。
排気開始と混合気吸入に時間差があるので、これにより排気ガスを排出して混合気を排出しないようにできます。

しかし、回転が上がってピストンの下がるのが速くなると混合気が早く入ってくるので
チャンバーからの押し返しを早くしなければなりません。

そこで、排気ポートの上部にバルブを付けて「回転が上がればバルブが引き上げられる」ようにしています。
排気バルブが引き上げられると、排気ポートの上端が上がることになります。
排気ポートの上端が上がればそれだけ排気開始が早くなるので、チャンバーからの押し返しが早くなります。

なお、SJ13の排気バルブ機構(AETC-2)は3ポジション。
・バルブ全閉/~5500rpm
・バルブ半開/5500rpm~6500rpm
・バルブ全開/6500rpm~

〇組立イニシャルの違い

組立イニシャルを大きくすると
排気バルブの押し下げ力が大きくなるので排気バルブが上がりにくくなります。
つまり、排気開始が遅れてチャンバーからの押し返しが遅れます。

N型とR・S型のチャンバーは同じなので排気ガスの押し返されるタイミングは同じです。
左右のバネも同じです。
ミドルバルブの形が変わりましたがロアバルブと一緒に動くので排気タイミングにはあまり影響しません。

結局、R・S型では組立イニシャルをN型の1/2から1.0に増やして、
同じエンジン回転数での排気開始を遅らせたことになります。
つまり、上の「3ポジションの切換回転数」を上げたことになります。

その方が「チャンバーからの押し返しタイミングがよく燃焼効率が上がる」からでしょうか?
何らかの理由があるものと考えられます。

●排気バルブガバナが異なる?

しかし、気になるのが「N型とR・S型では排気バルブガバナの部品番号が異なる」こと。
・N型 → 12670-28C20
・R・S型 → 12670-29E00

部品番号が違えば部品の内容も違います。

sj13排気バルブガバナ

左が新しく載せるR・S型のエンジン②-4、右が下ろしたN型のエンジン⑤-4。
この二つのガバナが異なることになります。

sj13排気バルブガバナ

ギヤ数(14枚/23枚)やギヤ径(14 ㎜Φ/56.3 ㎜Φ)、シャフト長さやシャフト径(10 ㎜Φ)は同じ。
異なるのは大ギヤの下のベアリング収納部。
この外径がN型では38.0 ㎜Φ、R・S型では37.7 ㎜Φ。
ただし、ペアリング数(6個)は同じなので、単る製造時期による違いかもしれません。

この二つが違うとしたら内蔵バネの強さしかありません。
内蔵バネを強くすれば、同じエンジン回転数で排気バルブを押し上げる力が弱くなり、
内蔵バネを弱くすれば、同じエンジン回転数で排気バルブを押し上げる力が強くなります。
※排気バルブガバナの構造 → こちら

もしかして、R・S型ではガバナの内蔵バネを弱くして排気バルブの押し上げ力を強くしたので、
組立イニシャルを強くしたのかもしれません。
それなら、上の「3ポジションの切換回転数」は変わっていないのでしょう。

ともあれ、「R・S型の37.7 ㎜Φガバナでは組立イニシャル1.0が標準」ということになります。

c.キャブレターの油面測定

問題ないと思いますが念のため。

rmxキャブレター油面測定

左右を水平、前を5度傾けて固定。
ドレンにビニールパイプをつなげる。
油面基準値はフロート室接合部から上へ3 ㎜。

左右は水準器で出ますが、前へ5度は目分量。
前へさらに傾けても油面はほとんど変化しないので「前5度」はそれほど気にしないでもよいでしょう。

rmxキャブレター油面測定

この状態で油面は接合部から2 ㎜程度上。
パイプをキャブレターにくっつけるともう少し上がります。
「基準値の3 ㎜をクリアー」と判断

d.余談

新しいエンジンをフレームに載せたあとには細々とした作業が残っています。

・ピストンヘッドの規定トルク締め。
・エンジンマウントボルトの規定トルク締め。
・イグニッションコイルの取り付け。
・コード固定。
・前へずらせていたラジエターを元に戻して取り付け、ルーバー取り付け。
・ラジエターパイプ取り付け。
・冷却水入れ。
・オイルポンプ取り付け。
・クラッチケーブル取り付け、レバー調整。
・シフトレバー,ブレーキブレーキペダル,キックアーム取り付け。
・フロントスプロケット取り付け,チェーン張り。
・チャンバー取り付け。
・キャブレター取り付け。
・ガソリンタンク取り付け。

これは楽しみながらゆっくりと。

全てが終わって、20:1の混合油を作ってタンクに入れる。

「さ~て、エンジン始動」

モトクロススタンドを下ろしたら、スタンドの上に大きな凹カラーが一つ。

「ええ~ッ!」

rmxエンジン搭載注意

この凹カラーが外れていたのです。
もう一度、エンジンを下ろして最初から。
半日をロスしました。

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