「尻のヌルヌル」を防ぐために表皮の下に滑り止めシートを敷きました。
シートに座ったときにできる表皮の弛みがずれないようにするためです。
しかし、「尻のヌルヌル」はなくなりませんでした。
「尻のヌルヌル」は尻の肉があるからで、表皮が伸びるからでも弛んだ表皮がずれるからでもありません。
そして「尻のヌルヌル」があっても荷重移動は直接バイクに伝わっています。
さらに、「尻のヌルヌル」があるから疲れずに素早い荷重移動ができるのです。
結論は
伸びる表皮を使っても伸びない表皮を使っても尻のずれは同じ。
表皮の下に滑り止めシートを敷いても尻のずれは同じ。
伸びる表皮を使っても問題なし。
表皮の下に滑り止めシートを敷く必要はない。
- アンコ抜きと「のびのび表皮」を使った張り替え
- アンコ抜きの修正と「サンゲツの椅子生地」を使った張り替え
- 表皮の下に滑り止めシートを敷いて、「尻のヌルヌル感」を解消
3.滑り止めシートを使って「尻のヌルヌル感」は解消できたか?
a.作業
使うのはホームセンター定番の「滑り止めシート・45㎝巾」
これをスポンジと表皮の間に挟みます。
シートを全て覆っても良いでしょうが、45㎝巾を横に使えば充分でしょう。
使ったのは「巾45㎝×長さ43㎝」。
シート後部のスポンジも少し削って起きました。
シート表皮を張るやり方で「しわを寄せてきてクリップ留め」を繰り返す。
しわがなくなったら、「弛みを寄せてきてクリップ留め」を繰り返す。
前後に引っ張れないので少し手こずりますが、前後の両端を斜め後ろに引っ張ることで解決。
素材は伸びませんが、網目状なので変形してしわが取れます。
6 ㎜針で「粗くタッカー留め」。
この上から表皮をタッカーするので「仮留め」です。
表皮との一体性を持たせるためにも「粗く打った」方がよいでしょう。
この上から表皮を張ります。
表皮はすでに少しシートの形に変形しているので「しわ取り」に苦労はしません。
できるだけ弛みを取っておくとしっかりとしたシートになります。
使う張りは8 ㎜です。
表皮の下に滑り止めシートを敷くことで、スポンジの小さな凸凹が表皮上に現れなくなりました。
そのため、以前よりキレイな仕上がりになっています。
ただ、表皮の下の滑り止めシートの境目が少し段差になって現れます。
これを防ぐにはシート全体に滑り止めシートを敷くのがよいでしょう。
なお、表皮の滑りをよくし表皮張りを楽にするために
「表皮とスポンジの間にポリシートを入れる方法」が紹介されています。
これは「滑り止めシートを入れる」のと全く逆で、「尻のヌルヌル感」を助長することになります。
b.インプレッション
●2022.04.11 165号 97㎞
・「尻のヌルヌル感」の原因は「尻の肉」
走り出す前に「尻のヌルヌル感」の原因が分かりました。
これはシートの表皮が伸びるからではありません。
だから、伸びない表皮を使っても解消されません。
「シートに座る → スポンジが凹む → 表皮が弛む → その弛みがずれる」からではありません。
だから、スポンジと表皮の間に滑り止めシート入れても解消されません。
尻がシートの上でヌルヌルと動くのは尻の肉があるからです。
木製の椅子に座って尻を左右に動かすと、
椅子に接している尻の部分は動かないのに尻が左右に動きます。
椅子の表面は木だから伸びません。
表面が凹んで表面が弛むこともありません。
しかし、尻が動きます。
これは腰(骨盤)と椅子に接している尻との間に尻の肉があるからです。
腰が尻の抜くの中で動いているのです。
案の定、滑り止めを挟んだシートでも「尻のヌルヌル感」は消えていませんでした。
・尻がヌルヌルと動いても荷重移動は直接伝わる
体重を左にずらせて左荷重にする場合、
尻を浮かせて尻がシートに接している部分を左に移動させても、
尻がシートに接している部分はそのままで、尻の肉の中で骨盤が左に移動しても同じです。
体重は骨盤にかかっているからです。
だから、どちらも体重移動が直接バイクに伝わっています。
尻の肉の中の荷重移動が「直接的でないと感じる」のは錯覚です。
「尻がヌルヌルと動く」から直接的でないと錯覚するのです。
大きな荷重移動は前者の「尻の移動」が受け持ち、
小さな荷重移動は後者の「尻の肉の中の移動」が受け持ちます。
もし、「尻の肉の中の移動」がなければ小さな荷重移動を素早くすることはできません。
だから、尻がヌルヌルと動かなければならないのです。
・伸びる表皮でも問題なし、滑り止めシートは不要
シート上で尻の荷重を左にかけたときシートは、
・尻の下のスポンジが凹む
・尻の左側の表皮が弛む
・尻の右側の表皮が引っ張られる
このとき「伸びる表皮」ならどうなるでしょう?
「尻の右側の表皮が引っ張られる → 表皮が伸びる → 尻がずれる」でしょうか?
尻はずれません。
尻の下の表皮は凹んだスポンジに押し付けられて動けません。
その左右の表皮が伸びても尻の下の表皮が動く事はありません。
尻の右側の表皮が伸びても、尻のずれには関係ありません。
尻がずれるのはスポンジが変形した分だけです。
ただし、
「伸びる表皮」はスポンジの変形を許し、
「伸びない表皮」はスポンジの変形を押さえます。
その点から「伸びる表皮」は尻のずれを大きくするだけです。
しかし、その違いは小さなものでしょう。
だから、「伸びる表皮は荷重移動のときに尻がずれやすい」というのは間違っています。
次に、尻の荷重を左にかけた場合尻の左側の表皮が弛みます。
この表皮の弛みで尻がずれるでしょうか?
ずれません。
これも同じです。
尻の下の表皮は凹んだスポンジに押し付けられて動けません。
その左右の表皮が伸びても尻の下の表皮が動く事はありません。
尻の左側の表皮が弛んでも、弛んだままです。尻のずれには関係ありません。
だから、表皮とスポンジの間に滑り止めシートを挟んでも「尻のずれ」には関係ありません。
このように、
伸びる表皮を使っても伸びない表皮を使っても「尻のずれやすさ」は同じです。
表皮の下に滑り止めシートを敷いても敷かなくても「尻のずれやすさ」は同じです。
ただ、「伸びない表皮」はシートスポンジをしっかりと包み込んで変形させにくくするので
「しっかりとしたシート」になる。
滑り止めシートを表皮の下に敷くと、スポンジを二重に包むことになるので「しっかりとしたシート」になる。
それだけの違いです。
結局、
・「伸びる表皮」を使っても問題なし。
・表皮の下に滑り止めシートを敷く必要はなし。
しかし、お勧めは
・「伸びない表皮」を使って、
・表皮の下に滑り止めシートを敷いて
・さらに表皮の弛みを充分に取ると
「しっかりとしたシート」が出来上がります。
前21/後18のRMXはタイヤをオンロードにするだけでアスファルトの上でもよく走ります。
コーナーでの落ち着いたフロント、前15/後46のスプロケット比からのパワー特性。
ゆるやかな峠道では前後17インチより楽に走れます。
問題は「足付き性」。
フロントフォークの突き出しやシートのアンコ抜きでは「少しよくなる」程度。
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もう一つの問題がタイヤ。
標準リム(1.60×21・2.15×18)に適合するのは GP210 とEXEDRA MAX くらい。
もちろんバイアス。
やはり、RMXをアスファルトの上で楽しむためには
「前後17インチ」にして「足付き性の良さ」と「ラジアルタイヤ」を得るべきでしょう。 → こちら
もちろん、ステアリングダンパーは必須です。 → こちら と こちら
・メモ
・オド : 5228.4㎞ ( トリップ137.9㎞)
・バイクを立てて給油孔までガソリン : 8.03ℓ
・燃費 : 17.06㎞/ℓ