アイドリング不調,回転落ちの悪さ。
排気バルブの戻りがゆっくりしているので点検・清掃。
しかし、症状は改善せず。
その他、考えられる原因を消去し残るはエンジン換装だけとなりました。
1.排気バルブ清掃
a.現在のエンジンはOH後6000㎞未満
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現在のエンジンはエンジン⑤-3
・ベースのエンジンは → こちら
・2016.02.29にOH → こちら
・2カ月の実走テスト後の状態は → こちら
・2017.03.13に完全エンジンにしてストック (排気バルブスペーサは新品に交換)→ こちら
・2018..05.19比較テストのため一時換装 → こちら
・2016.06.03(20996㎞)でエンジン②-3のドライブシャフトスプライン削れのため換装 → こちら
※エンジン⑤の履歴 → こちら
結局、OH後の走行が5000~6000㎞。
エンジン②では、OH後の走行が5000㎞で排気バルブスペーサが割れていました。 → こちら
5000㎞や6000㎞でクランクベアリングは損傷しないけれど排気バルブの点検は必要なのです。
排気バルブ点検・清掃はシリンダーだけ外せばOKです。
ただし、シリンダーを外すとシリンダーガスケットを交換しなければなりません。
また、シリンダーをはめるのに少々苦労します。 → こちら,こちら
私は少し時間はかかりますがエンジンを下ろしています。
b.排気バルブの状態
●タール付着
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・「タールがコテコテ」ではありません。
・スペーサも割れていません。
・バルブの戻り(ロアバルブの戻り)はやはり「最後がかなりゆっくり」。
ただし、この程度の汚れなら排気バルブは正常に作動しているはずです。
バルブも簡単に抜けました。
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●バルブ孔の汚れ
清掃前の状態です。
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壁面はネットリしているがタール付着なし。
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これなら、ロアバルブの戻り(出)が邪魔されることはないでしょう。
●ピストンヘッドの状態
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ススが固くなって貼りついている状態。
別に問題はないでしょう。
●清掃前の排気バルブ
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この程度が普通です。
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c.スペーサの削れ
排気バルブは左側(向かって右側)より右側(向かって左側)の方がよく削られます。
これは右側(向かって左側)のスペーサが磨耗しやすいからです。
スペーサはロアバルブのストッパーなので、
スペーサが磨耗するとそれだけロアバルブがシリンダーの中に突き出すからです。 → こちら
右スペーサが削られやすいのはバルブの上げ下げを右側でやっているからでしょう。
●スペーサの状態
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写真の左が右スペーサの外側、
・前後(写真の上下)/5.7㎜,左右/5.0㎜右
写真の右は左スペーサの外側
・前後/5.0㎜,左右/4.5㎜
※この穴に入るシャフトは外径/4.0㎜。
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写真の左が右スペーサの内側
・前後/5.3㎜,左右/5.0㎜
写真の右が左スペーサの内側
・前後/4.2㎜,左右/4.2㎜
これが、新品交換後 5000~6000㎞のスペーサの磨耗なのです。
●ロアバルブの削れ
スペーサが磨耗した分だけロアバルブがシリンダー内に突き出してピストンで削られます。
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写真の左が右ロアバルブ。
右カラーの磨耗でこれだけ削られています。
d.清掃後
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各部品は灯油にとスチールウールで汚れ取り。
バルブ先のこびりついたタールはマイナスドライバーで。
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バルブ孔はパーツクリーナーをウエスにつけて清掃。
シリンダーを外していないので「ジャブジャブ」とはいきません。
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磨耗の激しい右スペーサは「程度のよいストック(前後・左右/4.0㎜)に交換。
なお、このスペーサは廃番で在庫なし。もう入手できません。
スペーサの別のところに4.0㎜Φの穴を開けるか、
内径12 ㎜Φのパイプを使って代用品を作るしかありません。
※寸法
・スペーサ : 外径/18 ㎜,内径12.2㎜,厚さ2.9㎜,高さ/13.2㎜
・ロアバルブシャフト部分 : 外径12 ㎜Φ
・バルブ連結シャフト : 外径4 ㎜Φ
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バルブアーチに段差はありません。
右ロアバルブの削れも少しだけです。(写真の右側)
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下がロアバルブ、その上がミドルバルブ。
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ヘッドはワイヤーブラシでスス取り。
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なんの引っかかりもなく「ストン」と最後まで戻ります。
これで排気バルブはOK。
e.これで正常?
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今回始めて気付いたことです。
バルブ連結シャフトがスペーサの端まで届いていないのです。
シャフトの横方向へ動く余裕はありますが、
シャフト端が片側のスペーサ端までくればもう一方の片側端からは引っ込んでしまう。
何か意図があるのでしょうか?
シャフトが両側のスペーサから突き出した方が
スペーサのストッパーとしての役割が充分に果たせると思うのですが。
それはともかく、回転落ちの悪さが排気バルブにあるのならこれで調子が良くなるはずです。
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