- 排気バルブ清掃
- 原因と考えられるものはチェック
- エンジン換装
- エンジン換装後の状況
2.原因と考えられるものはチェック
a.排気バルブ清掃後も「回転落ちの悪さ」は変わらず
●MJ/195,PJ/30.0,JN/6BGK8-三段目,AS/2.0,アイドルノブ/3回戻し
・チョークを引いて3500rpmで安定
・少し暖気してチョーク戻しでエンスト
●MJ/195,PJ/30.0,JN/6BGK8-三段目,AS/2.0,アイドルノブ/2.5回戻し
・走行後、アイドリング1200rpm付近でエンストなし。
・走行中6000~7000rpmでアクセルを戻すと5500~6000rpmで脈打って下がらない。
・停車・無負荷で8000rpmまで上げるとアクセルを戻しても7000~8000rpmのままで下がらない。
キルスイッチOFF、メインスイッチOFFでもエンジンは止まらず。狂ったまま。
チョークを上げて不完全燃焼にさせてやっとエンジン停止。
・アイドルノブ2+3/4戻しではアイドリング1100rpmでエンスト。
だんだん調子が悪くなっているみたい。
結局、「排気バルブの戻りの悪さ」は原因ではありませんでした。
排気バルブ清掃はくたびれもうけでしたが、「スペーサの削れが見つかった」のでよしとしましょう。
b.イグナイターを交換しても同じ
こうなったら、怪しいものは全てチェック。
現在のレース用イグナイター(写真左)をストックの「Ω測定値異状なし」のレース用イグナイター(写真右)に交換。
※レース用イグナイターについて → こちら,こちら,こちら
●MJ/195,PJ/30.0,JN/6BGK8-三段目,AS/2.0,アイドルノブ/2+3/4回戻し
・チョークを引いてアイドリング1900rpmで安定
・暖気後、チョークを戻してアイドリング1100rpmでエンスト。
・走行中、7000~8000rpmでアクセルを戻すと5000~6000rpmで「ビィ~ン、ビィ~ン」と下がらない。
・アイドルノブ3回戻し,3+1/4回戻し,3+1/2回戻しでも回転が下がらないのは同じ。
c.インテークパイプ,リードバルブに異状なし
この「エンジンの狂い出し」はキャブレターの詰まりがあるときの症状。
だから、原因は吸気系。
「どこからか二次エアーを吸っている」。
インテークパイプを詳しくチェックしてみましょう。
このインテークパイプは以前に混合気漏れがあって液体ガスケットで漏れ止めをしています。 → こちら
混合気の漏れはありませんがここから二次エアーを吸い込んでいるかもしれません。
こちらが液体ガスケット。
乾いていません。ゲル状でに固まっています。
インテークパイプ側。
二次エアー吸い込みがあるとしてもここからではないようです。
よく見ても亀裂はありません。
弾力も残っていて固くなっていません。
シリコンスプレーを吹きかけても沁みていく部分はありません。
リードバルブの作動もOKです。
リードバルブ側の面を「600番 → 1000番」で平坦に。
クランクケース側はオイルストーンで平坦に。
当然、新しいガスケット。
より完全にするために、キャブレターバンド(#46,56)はストックの新品に。
●MJ/195,PJ/30.0,JN/6BGK8-三段目,AS/2.0,アイドルノブ/3回戻し
・チョークを引いて3000回転付近でエンストなし。
・チョークを戻すとエンスト。
・アイドルノブ2+1/2回戻しでもエンスト。
・アイドルノブ2回戻しではエンジンが狂いだす。
・インテークマニホールド付近から漏れなし。
症状は改善されず。
「インテークパイプからの二次エアー吸い込み」はなかったと結論。
d.キャブレターを交換しても同じ
エンジンの回転落ちが悪く狂い出す原因は吸気系。
「インテークパイプからの二次エアー吸い込み」がなければ残るはキャブレター。
現在のキャブレター④からキャブレター⑤に変更。
ついでも、PJを32.5にして、JNを6BGK8で二段目に。
・PJ上げでアイドリングが強くなる。
・JN段数上げでPJ上げによる低・虫回転のボコツキをなくする。
●MJ/195,PJ/30.0,JN/6BGK8-二段目,AS/2.0,アイドルノブ/2+3/4回戻し
・低~虫~高~MAXへのつながりOK。よどみ・ドロドロなし。
・PJ/30.0のときより出足がよい。
・パワーの出方は「 PJ/30.0,JN/6BGK8-三段目」より良い。
・「6BGK8-三段目で7000rpmが楽に出る」と喜んでいたが、この設定では「8000rpm以上が楽に出る。
・7000~8000rpmで元気に15粉くらい走らせたあとのアイドリングは1200rpm付近でエンストなし。
・無負荷で4000rpmからも1200rpmに戻る。
・走行中の回転落ちの悪さ,シャクリは残っている。
・二次エアー症状はやや収まっだような感じだが、確かにまだある。
結局、キャブレターも原因ではない。
e. イグニッションコイルも異状なし。残るのは?
・排気バルブ〇
・インテークマニホールド,リードバルブ〇
・サイレンサー〇
・イグナイター〇
・キャブレター〇
残るのは、
・排気バルブガバナ
・イグニッションコイル
・レギュレートレクチファイア
・コンデンサ
排気バルブガバナは「エンジン回転が問題なく上がる」からOK。
レギュレートレクチファイアはアクセサリー給電で点火に関係なし。
コンデンサは働きが分からないのでパス。
イグニッションコイルを念のために点検。 → 点検方法
・一次側 : 約0.2Ω(基準0.25~0.35Ω)
・二次側 : 約7KΩ(基準5.0~7.6KΩ)
イグニッションコイルも問題なし。
残るのは、左クランクシールの磨耗がベアリング損傷。
左クランクシールが磨耗していたりベアリングが損傷していたりしたら、そこから二次エアーを吸い込む。
そう言えば、
シリンダ付近から排気臭がする。
左ブーツがなぜか湿ってテカテカしている。
そこでエンジンを換装することにしました。
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