10.テストと封止
a.封止
●封止剤
封止剤に求められる要件は
①絶縁性
②金属を腐蝕させないこと
③小さな隙間にまで到達すること
①は特に「導電性」を表示しているもの以外、ゴムやシリコンンなら問題ありません。
②は注意が必要。
・液体ガスケットには「銅・銅合金を腐蝕させます」との注意書きがあるので使えません。
・金属を腐蝕させないものには「一般電気用」とか「電気・電子部品用」と表示されています。
・「電気・電子部品用」表記されると「一般電気用」よりもグレードが上のような気がしますが同じです。
③は「粘度」で表記されます。
・「低粘度」は流れやすく、「高粘度」は流れにくくなります。もちろん固まれば同じです。
・粘度の単位は「pa・s」。pa・s値が大きくなるほど高粘度になります。
・信越では0.1pa・s~10pa・s~100pa・s~1000pa・sに分けて、低粘度・中粘度・高粘度としています。
・実際にどのくらいの粘度がよいかは使ってみなければ分かりません。 → 使ってみました
この条件を満たすもので入手しやすいものに
・信越シリコーン・KE-3475 → 低粘度(2.5 pa・s) → こちら,こちら
・スリーボンド・TB-1220G → 低粘度(6.5 pa・s) → こちら,こちら
・モメンティブ・TSE-399 → 中粘度(25 pa・s) → こちら,こちら
・信越シリコーン・KE-347 → 中粘度(55 pa・s) → こちら
※ショップのサイトでは「KE-3475は一般電気用」、「KE-347は電気・電子用」とされていますが
メーカー分類では「一般電気用」と同じです。
ただ、絶縁破壊の強さが「KE-3475/22KV」,「KE-347/25KV」と異なります。 → 信越資料
※ホットメルト接着剤も使えるようですが「電子部品の固定用」の確認が必要でしょう。 → こちら
※セメダインスーパーXも使えそうですが、一般のものより「電気電子部品用」が安心でしょう。 → こちら
上記の「液状シリコンゴム」より安いです。 → こちら
入手したのは「KE-3475-T(透明)」、取り敢えず「100㎖チューブ」。
いろいろ値段を比較して一番安かった MISUMI から入手しました(送料無料)。 → こちら
●封止
・ケース構造
アルミケースの隅には基板を支える段差(aとb)があります。
・a段差 → 3.5㎜高,B段差 → 4.0㎜高
・c部分は基板の切欠きにはまるので基板を支えない。高さは5.0㎜。
・基板裏側の出っ張りは2~3 ㎜で基板がa段差で止められても裏側のはんだ盛りがケースに接触することはありません。
基板はアルミケース底から「3.5㎜~4.0㎜」の所で支えられます。
取り外した基板の裏に残っていた封止剤の厚さは4 ㎜、基板はbで支えられ、aには達していなかったのでしょう。
ここで元の取り付け状況を推測してみると。
・基板裏面~ケース底面 → 4.0㎜
・基材厚 → 2.0㎜弱
・ケース上端~ケース底面(ケース深さ) → 18 ㎜
・ケース上端~プラスチックのフタ内側上面 → 2.5㎜ ※こちら
↓
・基板上面~プラスチックのフタ内側上面=18-4-2弱+2.5≒14.5 ㎜
↓
・基板面から14.5㎜でフタに接することになります。
ところが、
・元のコンデンサは一般の「5.0㎜Φ×11 ㎜高」。しかも足高さが3 ㎜くらいあった。
↓
・このコンデンサは基板面から14 ㎜高~14.5㎜高(測定誤差を考慮)
↓
・コンデンサは「フタ内側上面に接するか接しないかの状態」になっていた。
フタは設計上深くできます。
フタを深くすればPGMの厚さが増えて収納に不利になりますが、1 ㎜や2 ㎜増えても問題は生じません。
なぜ、こんなにギリギリにしたのでしょう?
もしかして、「電解コンデンサをフタで少し押さえるようにする意図」があったのかもしれません。
「コンデンサは封止材で固定されているが、頭を押さえればより強く固定できる」と考えたのではないでしょうか?
こう考えると、「b段差が4 ㎜,a段差が3.5㎜でa段差が0.5㎜低くなっていること」も理解できます。
・11 ㎜高の電解コンデンサでも製造のばらつきがあるので正確に「11.0 ㎜」にはならない。
・足曲げも正確に「足高さ3.0㎜」にならない。
・コンデンサ取り付け高を14.5㎜にしてフタに接するようにしたいが、14.5㎜より高くなるものも出てくる。
・その場合でも、押さえつければ基板がa段差まで下がる(0.5㎜下がる)のでフタが閉じられる。
※封止材が固まる前にフタをするのかもしれません。
a段差とb段差との違いにはこんな意図があるのではないでしょうか?
このような製造意図があるかどうかは別にして、
素人ユーザーがコンデンサを取り付ける場合は取り付け位置をできるだけ下げることが必要。
「コンデンサの頭をフタで押さえること」より「フタが閉められること」が先でしょう。
そのためには、
・裏側の元の封止材を3 ㎜程度にする → 基板をa段差まで押し付けることができる。
・コンデンサの足高さはできるだけ低くする。 → 3 ㎜が基準。
・基板をa段差まで下げる。 → 封止材が固まる前にフタをしてもよい。
・封止作業
①上記c段差にマスキングテープを貼る。
②b段差のところまで封止材を入れる。
③基板をケースに入れる。周りとc段差の部分から封止材がはみ出してくる。
この次が大切。
④カプラーの反対側をクランプで押さえつける。
これは、カプラー部がケース溝にはまると反対側が持ち上がるから。
クランプで反対側を押さえておかないと、基板がa段差やb段差から浮き上がってしまうのです。
写真では左側クランプで基板をa段差に、右側クランプでb段差に押しつけています。
今回は封止材全てを除去せずに一部を残していたので左側クランプを当てる場所がありました。
封止材を全部除去して基板を丸出しにした場合はプラスチックのフタをして押さえつけておけばよいでしょう。
なお、写真の位置であまり強く押し付けると基板が反ってしまうので「適度な強さ」が必要。
クランプで押さえつけると基板が沈み込みます。
実際の状態がこちら
クランプで押さえて2日後の状態です。
元の封止面が左端で1.5㎜くらい下がっています。
これが前述の「フタが閉まらない」の種明かし。
基板が浮き上がっていたからフタが閉まらなかったのです。
こちらがコンデンサの状態
コンデンサはケース上端から1 ㎜くらい出ているだけです。
基板が浮き上がった状態ではコンデンサはケース上端から3 ㎜強でていました。 → 前の状態
クランプでa段差に押し付けることによってコンデンサの取り付け位置が2 ㎜下がったことになります。
これだけコンデンサの取り付け位置が下がるのなら、
コンデンサの足高を修正して付け替える(こちら)必要はなかったのかもしれません。
まあ、これも一つの経験で「次に役立つ」ことでしょう。
なお、メインコンデンサについても同じことが言えます。
・ケース上端~フタ内側面=フタ深さ-ケースのフタ段差=12.5-4=8.5 ㎜
・メインコンデンサ左の黒いボックス → ケース上端から8 ㎜出ている。
メインコンデンサが黒ボックスより少し出ているのでメインコンデンサの頭はフタ内面に接していることになります。
フタは少しだけ軽く浮き上がりますが押し付けると浮き上がりはなくなります。
だから、フタやケースの製造精度の問題かもしれません。
メインコンデンサの取り付け位置が高くなった理由は
・基板焼け修復(こちら)で基板面が少し盛り上がった。
・「ブリッジ防止の壁作成」がにより封止材で基板面が上がったこと。
それなりの理由があったのですが次のような点を留意する必要があったでしょう。
・基板焼け修復で盛り上がりを削る
・「ブリッジ防止の封止材」をメインコンデンサについても除去する
「メインコンデンサの取り付け高さの基準は黒ボックスと同じ高さになること」です。
●導電シートの取り付け
K889の下に絶縁性の熱伝導シートを取り付けます。 → こちら
まず、切欠きにカッターで切れ目を入れてマスキングテープの上の封止材を取り去ります。
左側が取り外した封止材。
使用するのは
・SWEETECH 熱伝導シート「27 ㎜×67 ㎜」×「厚さ0.5・1.0・1.5 ㎜」×2セット・455円 → こちら
元の熱伝導シートは「0.5 ㎜厚」。
潰れて薄くなるからと「1.5㎜厚」を使いましたが、少々厚すぎました。「1.0㎜厚」の方がよいでしょう。
案外、元のシートと同じ「0.5㎜厚」にするべきかも。
熱伝導シートが厚いと、押さえプレートを取り付けるのに苦労します。
プレートを強く押し付けるので、下のK889に悪影響があるかもしれません。
何事も「純正・元の部品」と同じサイズのものを使った方が無難です。
なお、コードは小さいコンデンサの前を通ります。
●残った封止材を注入
100 ㎜ℓでは「基板部品の頭が少し出るくらいまでタップリと入れる」ことはできません。
少し残しておいて、1時間くらいして表面が少し固まってきたときに必要な部分に追加盛り。
外周のコンデンサ,メインコンデンサ,腹を出している3P4MH でしょう。
封止材が「完全な機械的強度を発揮する」までの三日が経過。始動テストは後日。
「エンジンは始動するのか」、「RCバルブは正常に動くのか」など不安で一杯です。
しかし、ここまで来たらもうできることはありません。
「やれることはすべてやった」のだから「結果を受け入れる」しかないのです。
合格発表を待つ受験生のようです。
b.PGM故障を防ぐために
●レギュレーターの放熱対策
「対策品」といわれるレギュレーターには放熱フィンがついています。
純正レギュレーターは
・部品番号 : 31600-MV4-010
・型番表記 : SH693-12
なお、この型番表記のないものは社外品です。
中古部品で「純正」と表記していてもこの型番表記の写真がないものは「純正ではない」と判断した方がよいでしょう。
バイクの元の所有者が社外品のレギュレーターに付け替える。
このバイクを入手し解体してレギュレーターを出品した者は「純正品」だと思っていたので「純正品」と書く。
出品したレギュレーターの表記型番の写真を掲載するのを忘れた。
当然、このレギュレーターは社外品。
中古部品の「純正」というのは「そのバイクに付いていたもの・そのバイクから取り外したもの」という意味なのです。
この純正対策品、Yahooオークションで新品が8000円程度。Webike/純正部品で8500円 。
中古で1000円~2000円。
社外品は1500円程度でありますが「信頼性が未知数」なのでやめた方が良いでしょう。
レギュレーターが壊れて高電圧がかかればPGMは壊れてしまいます。
PGMⅢの中古価格は故障品でも3万円、健常品なら10万円以上。
レギュレーターはやはり純正品で。
2000円の中古純正品を使うとして送料がかかるので費用は3000円。
放熱フィン(ヒートシンク)だけなら1000円未満。
K889に使う熱伝導シートもあるので、放熱フィンを入手して貼りつけることにしました。
古いレギュレーターの「放熱フィンを張ることのできるスペース」は「横35 ㎜×縦46 ㎜」。
フィンの高さは25 ㎜までOKですが、そんな放熱フィンはありません。
・写真の放熱フィン(ヒートシンク)は「横30 ㎜×縦20 ㎜×高さ15 ㎜」×2個。
※Akinekoヒートシンク・799円 → こちら
・右下は熱伝導シート(両面テープだが接着性はそれほど)
※SWEETECH 熱伝導シート「27 ㎜×67 ㎜」×「厚さ0.5・1.0・1.5 ㎜」×2セット・455円 → こちら
なお、ヒートシンク付属の両面テープは「熱伝導ではないらしい」ので熱伝導シートを使いましょう。
上記の熱伝導シートは6枚のうちの1枚でOK。
二個並べて貼りつければちょうど良いサイズ。
しかし、どこかのサイトのようにこれで喜んでいてはいけません。
放熱フィンを貼りつける面は金属ではなく封止剤のゴムです。
多分、熱伝導の液状ゴムでしょう。
テープは金属のような平滑な面にはくっつきますが、ザラザラしたゴム面にはくっつきません。
ヒートシンクはあっけなく「ポロン」と外れてしまいます。
これを固定するには、熱伝導液体ゴムで放熱フィンの根元を埋めなければなりません。
※熱伝導性 RTVゴム(常温硬化型)・信越 KE3467・23600円 → こちら
エポキシなどの接着剤では放熱フィンへの熱伝導が邪魔されて放熱効果が減じてしまいます。
KE3467に2万円以上も出すのなら8500円で新品純正を買った方がよいでしょう。
取り敢えず銅線で縛りつけることにしました。
これで問題が生じれば新品の純正部品にするつもりです。
※PGMとレギュレーターの適合
MC21のPGMⅢは三種類、レギュレーターはA型とB型の二種類。
各々について適合があります。
「フィン付き対策品への交換」にはそれなりのリスクが伴います。 → こちら
四カ所の補強リブにワイヤータイコ作成のときに使った1.7㎜Φキリで穴をあけ、0.9㎜Φ 銅線を通して縛る。
銅線には弾性がないのでヒートシンクをレギュレーター面に押しつけるのに苦労しましたがなんとか固定。
見栄えは悪いけれど見えない場所だから構わないでしょう。
なお、レギュレーター自体は厚いアルミ板に直接取り付けられているので「背面の放熱対策」はできています。
他サイトのように、フレームサイドに別のアルミ板を貼りつけてレギュレーターを取り付ける必要はありません。
●電圧計の取り付け
PGM故障の原因についてのネット情報では
①バッテリー充電不足での始動。
②レギュレーターが故障して高電圧がPGMにかかる。
①の根拠が不明です。
②は「納得させられます」が高電圧電流が発生すればヒューズが切れます。
ヒューズが切れれば回路に高電圧電流が流れずPGMに入りません。
だから、②の根拠も不明です。 → こちら
このようにネット上では根拠不明の情報が都市伝説のように横行しています。
記憶に新しいのは「FJ1200の燃料ポンプ動作の点検方法」のデマ → こちら。
ポンプにバッテリーを直接つないで(リレーをつながないで)作動させた場合に
「ポンプのキャブレター側 ( 燃料出口 ) を指で押さえてポンプが止まれば正常、止まらなければ異常」。
燃料ポンプの正常動作は
・リレーを経由すれば、燃料出口を押さえようと押さえまいと3~4秒したら停止する。
・リレーを経由しなければ、燃料出口を押さえようと押さえまいと動き続ける。
この二つが「伝言ゲーム」で上記のようなデマになったのでしょう。
だから、「バッテリーが充電不足で始動するとPGMが故障する」というのもデマかもしれません。
しかし、9.1Vの古いッテリーを充電して13.1Vにして初めて始動したときに、
キーONでPGMあたりから「pu…」音、インジケーターは「弱々しくチチチチ」。 → こちら
その後、キックで始動し、PGMが故障するまで168㎞を問題なく走れたけれど、
この最初の始動でPGMにダメージを与えたのかもしれません。
多分、「ちょうどそのときに電解コンデンサの寿命が来た」だけで
「充電不足のバッテリーで始動したから」ではないと思うけれど、念のために「電圧の可視化」を。
デジタル電圧計は「2個で573円のもの」から「1個で10000円程度」まで。
人気なのが「デイトナのAQUAPROVA 」・3000円程度 → こちら。こちらも
しかし、DAYTONAの名前で値段が高くなるので、値段が品質に正比例しているわけではない。
この値段ならどうせ中華だから品質は変わらないはず。
激安は外して1000円程度の非ブランド品に(YGL)。
・バッテリー接続用クワガタ端子(エーモンE331・穴径8 ㎜Φ/4個・150円)。
※NSRの小型バッテリーでは6 ㎜Φの方がよい。 → キジマ6 ㎜Φクワガタ端子
・ロータリースイッチ(OHM・HS-H03RS/140円)※黒もあります。
スイッチはあれば楽ですが必ずしも必要ではありません。
ギボシ端子の一方を外せばスイッチ代わりになります。
スイッチ部分をフレームに取り付け。
スイッチ本体は両面テープ,コードはタイラップ。
スイッチをカウルで隠れる位置に取り付けた方がよいかもしれません。
電圧計はタンクを外すときに簡単に外せるようにタンクの上に百均の「強力マグネットシート」で。
コードはフレームの内側に貼りつけ。
電圧計を両面テープで直接タンクに貼りつける場合はギボシ端子接続かカプラー接続で。
これで少しは安心できるでしょう。
なお、スイッチはあった方がやはり便利です。
※この電圧計の評価については → こちら と こちら
c.テスト
PGMを屋外に持ち出すのは三カ月ぶり。
写真撮影用にカバーを外していますが、テストのときは当然カバーをして本体を車体に取り付け。
「アルミケースが上・プラスチックカバーが下」なので、コンデンサやトランジスタは「頭が下の逆立ち状態」に。
何か意図があるのでしょうか?
諸元表のプラグは「BR8ECM,BR9ECM,BR10ECM」。
標準は BR9ECM (マニュアルP24-7)。
BR8ECM が付いていたので BR9ECM に交換(参考サイト)。 → BR9ECM,BR8ECM,BR10ECM
※デンソーファンはイリジウムプラグを → IWM27,IWM24,IWM31
田舎のホームセンターでは「ECM」を置いていません。
オートバックスは?
『プラグ自体を置いていない』とのこと。
いったい何を売っているのでしょう?
●ニュートラルランプが点灯しない
イグニッションONで点灯したインジケーターランプは「サイドスタンドランプ」だけ。
嫌な予感。
ホーンOK,ライトOK。
ウインカランプ,ハイビームランプも点灯。
あれやこれや確認していると、「オイルランプ」が点灯している。
しかし、ニュートラルランプが点灯しない。
ここは慎重に。
電装が完全でないのに始動したらPGMが故障するかもしれない。
PGMのカプラーを外してCRCを吹きつけ、はめ直し。
(そういえば、上の写真で白カプラーがしっかりとはまっていませんネ…。)
ここで、ニュートラルランプが点灯。
インジケーターランプ全てOK。
●始動にてこずる
「さあこれでエンジンがかかるぞ!」
キックバックはあるが始動しない。
キャブレターはPGMを取り外すときに清掃しているので問題はないはず。
プラグを外してシリンダーにパーツクリーナーを吹きつけ。
やっとエンジンがかかるがすぐに止まってしまう。
「パーツクリーナー → 始動」を繰り返し、チョークを引いたままで回転が持続するようになる。
もちろん、白煙タップリ。
やっと、チョークなしで回転が持続するように。
1~2年放置したあとの始動でもすんなりと「チョークなしの回転持続」になります。
もしかして、PGMの部品を新しくしたから?
交換したコンデンサやトランジスタの調子がでるまでに時間がかかるのかな?
●試乗
30㎞程度試乗。
・回転上昇、パワー問題なし。
・走行中の電圧計は16.0V、アイドリングでは15.7V。
制御電圧基準値は「13.5V~15.5V/5000rpm」だけど、
10000rpmでも16.0Vで一定だからこれで正常なのでしょう。
※備考
PGM故障前の点検・測定では
・制御電圧 → ・デジタルテスター : 13V/5000rpm~14V/6000rpm → こちら
・ジェネレーターチェックOK → こちら
・レギュレーターチェックOK → こちら
これらのことから、この電圧計が実際より大きい価を表示しているのでしょう。
「回転を上げても表示16Vで一定」なので「電圧制御ができている」と判断しました。
※2021.02.19.追記-デジタル電圧計との比較
デジタル電圧計バッテリーにつないでこの電圧計との表示価を比較(デジタル電圧計/取り付けた電圧計)
・エンジン停止 → 12.47/12.6
・アイドリング(1500rpm) → 15.8/16.0
・3000rpm → 15.8/16.0
・5000rpm → 15.94/ 16.1
・アイドリング(1500rpm) → 15.87/16.1 → 15.85/16.0
・3000rpm → 15.87/16.0
・5000rpm → 15.82/16.0
・2000rpm → 15.73/16.0
・エンジン停止 → 14.44/14.6 → 14.31/14.5 → 14.2/14.4やふ14.12/14.3
取り付けた電圧計はデジタル電圧計よりも 0.2Aほど大きい値を示している。
なお、この電圧計は16.0Vを超えると「HHH」表示になるとのことだが、
表示値が16.1になっても「HHH」にならない。
「表示値が0.2A大きい」から「16.1V表示でもHHH表示にならない」のか?
「3カ月前のエンジンストップ」が頭をよぎって近くをグルグル試乗。
大丈夫そうだから、次回は165号線へ。
それほど怖がる必要はないでしょう。
PGMがまた故障したら、軽トラックをレンタルして回収しPGMの部品を取り替えればよいだけです。
以前と違って、今はPGMを修理できるのですから。
「がさつなRMX」と違って「滑らかに1万回転まで上昇していくエンジン」。
これが電子制御なのでしょう。
NSRは「よくできた 2st・250 のロードスポーツ」です。
公道ユーザーならスプロケットだけ選べば充分でしょう。
確かに「名車」ですネ。
「ガラスの顎」のPGMさえ除けば…。